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自然哲学者1

以前連載した哲学史から。。。

いつもと趣向をかえて、哲学史を振り返ってみたいと思います。

哲学というのが、現在の私たちと無縁の世界ではなく、
私たちの今の常識を、作り出してきた元になっていることに、
きっと驚きや、新しい発見があると思います。

ギリシアの遺跡


今回は、最初のギリシャの哲学者たちについてです。

ソクラテス以前の、彼らのことは、自然哲学者と呼ばれたりします。
これは、彼らの関心の対象が、自然の営みにあったことによります。

ギリシャの人達は、全てのものが無から生まれたとは考えず、元になる「何か」がすでに存在していると考えていました。

全てのものの、おおもとになる、なにか「元素」が、存在するのだと考えていました。

そして、かれらが哲学者と呼ばれるのは、自然の出来事を、それまでの神様の仕業(神話)によるものではなく、自然そのものを観察することにより、その原理を解き明かそうとして、神話から自由になった点にあります。

最初に元素の考え方ということで、ミレトスの三哲学者、タレス(BC624?546)、アナクシマンドロス(BC610?547)、アナクシメネス(BC570?525)についてさらっと触れます。

タレスは、エジプトにいって、ピラミッドの高さを、影の長さから測定したと言われています。
また天文学にも通じており、日食を予測したと言われます。

タレスは、水がすべての根源(アルケー)だと考えました。

すべてのものは、水から生まれて、水に帰ると考えました。

アナクシマンドロスは、特定の元素からものが生まれるのではなく、何かから生まれて、何かへと消えていくと考えます。

彼は万物の根源(アルケー)は無際限無限定(アペイロン)であると考えています。

アペイロンは成熟することも衰退することもなく、目の前に存在する物質を、新しく永遠に生み出し続けていると考えました。
アナクシメネスは、万物の根源(アルケー)は空気(気息)であると考えました。

死人が呼吸しないことから、呼吸が生命を作りだし、同じように空気が全てのものを作り出すと考えます。

空気が薄くなると熱くなって火になり、濃くなると冷たくなって水になり、さらに濃くなると土や石になるという具合に考えたようです。

考える博士


次に、元素はともかくとして、どうして、あるものが他のものになるかという、変化のとらえ方に関して、二人の哲学者を取り上げます。

最初に、「エレア学派」のパルメニデス(BC540?480)です。

感覚で捉えると、見た目には物事は生成変化を続ける様に見えます。

しかし「変化」とは在るものが無いものになることであり、無いものが在るものになることです。
理性で考えれば「無」から「有」が生じたり、「有」が「無」になるのは矛盾している、だから変化などないのだと考えます。

このように、パルメニデスは感覚よりも理性を信じることにより、真に在るものは不変だと考えました。

変化するというのは、感覚が騙されているのだと考えます。

このような感覚より理性を信じる考えを「合理主義」と呼びますが、パルメニデスは合理主義の祖であると言われています。

ちなみに、パルメニデスの弟子のゼノンは、運動が存在しないことを示すために、有名な「アキレスの亀」のパラドックスを考えたと言われています。

ガンジス川

変化については、もう一人の哲学者、ヘラクレイトス(BC540?480)がいます。
ヘラクレイトスは「万物は流転している」と考えます。
自然界は絶えず変化していて、変化することが自然の性格だと考えます。

すべては、動きの中にあり、何一つ永遠に続くものはない、「同じ河に二度入ることはできない」のです。この意味は、私たちが、二度目に河に入った時には、私自身も流れもすでに変わっているのだからということです。

また、ヘラクレイトスは、世界は対立で成り立っている、病気にならなければ、健康が何かわからない、冬が来なければ、春の訪れもないというように。

善も悪も、全体の中に必要な居場所を持っていて、対立による闘争があるから、世界が変化を続けていられるという発想をします。

そしてまた、ヘラクレイトスは、理性(ロゴス)という言葉を使います。
世界の全ての現象をコントロールする、「世界の理性(ロゴス)」というものが存在していルはずだと考えます。

人間もこれに従うべきなのだが、たいていの人は自己流の理性(ロゴス)で生きている、そのようなものの見方は、ヘラクレイトスに言わせると「子どもの遊び」だということになります。

「万物は一である」、「一から万物が生まれる」として、「根源的な一と多くの表面的なもの」の関連を言い出した人だとも言われます。

考えるウサギ

「万物は流転する」「対立が変化を作り出す」「感覚はあてにならない」「ロゴス」「万物は一つ」といった考え方が生まれてきました。


しかし、まだ人間の自我や思考については、あまり考慮されなかったようです。
また、神様の仕業といった発想からは、いったん決別します。


今でこそ、私たちは、教育によって物質が原子から出来ていることを、当たり前のように信じています。

しかし、そのような前提がなかったら、ものがなにから出来上がっているか、という問題にどれだけの発想が及ぶでしょう。

また、万物を生み出す根源という考えは、今後も形を変えて、考え続けられることかも知れません。

参考
ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙
ヨースタイン ゴルデル 日本放送出版協会 (1995/06)
※哲学者の年代はソフィーの世界の記述にしたがっています。



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存在

根源は、水、空気、何か…

尽きることのない思索でしょうね



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