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疑心暗鬼を生ず

疑心暗鬼という言葉はよく使われるのでみなさんご存じでしょう。

何かを疑わしいと思い出すと、その先入観から何もかも怪しく見えだしてしまうわけです。

そこでは、冷静で客観的な判断力は失われ、偏った見方にとりつかれてしまいます。
それが「暗鬼が生じる」ということです。

不安


この言葉の元になった寓話とはこんな話のようです(列子「説符篇」)。

ある人がオノを無くしてしまったことに気がつきました。
とっさにこれは誰かに盗られたに違いないと思います。
そう思うと、どうも隣の家の息子が怪しい。
このごろ、自分と出合った時の挙動がどうもあやしい。
目を合わすと、こそこそ逃げ出しそうな様子だし、目をそらしたり、言葉つきもおどおどしているように見えて来る。
こうしたことから、オノを盗んだのはてっきりこの男に違いないと思うようになります。

ところが後になって無くしたはずのオノは自分が谷間に置き忘れていたことがわかりました。そこを掘りかえしているうちに、偶然見つかったのです。
そういえば忘れたかも知れないなと思いながら、家に帰って来ます。
さて、それから隣の家の息子を見てみると、あんなに怪しく見えた挙動やふるまいには、何も不自然さは見えなくなってしまいました。

このように、いったん何かを信じたいと思い出すと、私たち人間の判断力は途端にあてにならないものになってしまうのです。

この話の場合は、疑いがスタートになっているわけですが、その逆に特定のことをどうしても信じたいと思うことがスタートになる場合もあります。

スタートが逆だと別の話にも思えますが、そこにあるのは何かを信じたいという欲求が潜んでいるという点では同じことなのです。

何かを信じたいと思う時には、それと逆の考えは間違っていると信じようとすることに繋がっています。

このオノの話の場合、最初に隣の息子を怪しいと思い出したきっかけは何だったのでしょうか。

彼が誰が見ても怪しいふるまいをしていたのか、それともどこか怪しいと自分の方から思うような理由があったのか、その真相は何ともいえません。

しかし、後で見方が180度変わったということは、先に自分の方で疑いたい気持ちがあったと考えた方が近いのでしょう。

その原因は何かというのは、これまた余計にわからないことですが、たまたまこの息子の中に、自分の過去の経験の嫌な印象を呼び起こすものがあったのかも知れません。

先にこの人は嫌いだとか怪しいと思ってしまうと、現実のふるまいがどうであるかより、疑わしい理由を見つけ出す方に認知が働き出してしまうのです。

嫌いな人間だと思っていると、自分と同じ考えをもっているはずがないと思ったり、さらには嫌な人間であって欲しいと思ってしまうかも知れません。

一方でこの人こそは、私の救世主だと思いたくなる人が現れると、今度は信じたくない事柄には目をつぶって見えなくなってしまいます。
あばたもえくぼじゃないですが、欠点すら魅力的なものに映ってしまうのです。

このような人間の心理の罠にはまらないためには、強い思い入れが生じたら疑ってみた方がいいと言えるでしょう。

「なぜそんなにムキになって信じたいと思い出したのか」、そのあたりを疑う余裕が持てれば、何かにのめり込んで失敗してしまうこともなくなるでしょう。

もっとも、入れ込んでしまうと自分では気がつけなくなるのが、人間の心理の弱いところでもあるのですが。

「なぜそんなにムキになるの?」と時々振り返って見ましょう。
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こんにちは(^^)

オノのお話、面白いですね(^^)
昔話にもありそうですよね^^
疑いをスタートにしていると、ずっとイライラしていそうですし、
逆の場合は、不安で仕方がなくなりそうですね。
いずれにしても、ストレスが、たまってしまいそうです。
できるだけ、自分で、ストレスを作り出さないように
したいと思いました。

Re: こんにちは(^^)

> オノのお話、面白いですね(^^)
> 昔話にもありそうですよね^^
> 疑いをスタートにしていると、ずっとイライラしていそうですし、
> 逆の場合は、不安で仕方がなくなりそうですね。
> いずれにしても、ストレスが、たまってしまいそうです。
> できるだけ、自分で、ストレスを作り出さないように
> したいと思いました。

少々のことなら騙されてもいいから、
疑心暗鬼にならない方がましかななんて
ちょっと思ってしまいますね。
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