« ホーム »

タオイズムは努力しない

「タオイズムは努力しない」とはどういうことでしょうか。

タオイズム(老荘思想)と仏教や禅は深い関係にありますが、仏教では例えば五戒(ごかい「不殺生」「不偸盗」「不邪淫」「不妄語」「不飲酒」)といわれる戒律があったりするのに対して、タオイズムはそのような戒律的なものはなく、むしろ不自然な足かせをはめることを嫌うのです。

また努力しなければできないようなやり方は、タオ的ではないと考えます。

座禅


しかし、努力も勧めないし、「無為」などといった訳のわからないことを唱えるタオイズムは、何も動こうとしないで、怠惰にだらだらしていることを説いているのではないかと思われるかもしれません。

タオイズムが勧めるのは、たしかに努力がなくシンプルな無為で人生を送るということです。

それは、言い換えれば自然(タオ)から外れた、人為的なことを排除してシンプルな自然さを取り戻すということです。

老子は、タオの道は広く平らなで歩きやすい道であると表現しています。
そして、「けれども、人は広い真ん中を通らずに横道を通りたがるのだ」という意味のことを言います。

道を歩くということに例えれば、タオイズムが唱えるのは、広い道を一歩一歩堅実に歩むことです。
それは地味で堅実なあゆみであって華々しさはないでしょうが、しかし確実なあゆみなのです。

そして、一歩足を踏み出せば、次の一歩足を踏み出すという繰り返しは、自然な動きであって努力のいらないものだと考えるのです。

例えば、私たちは身体の内部で、胃や腸といった内臓がどのような働きをしているのかを意識しません。
それは、確実に動いていなくては困ることですが、しかしそれを意識したり、努力して動かしているとは考えないでしょう。

また、少し特殊なのは、呼吸です。
同じように無意識に働きもしている呼吸という活動ですが、意識して呼吸しようと思えば、それもまたできるのです。
そのような唯一とも言える意識して制御が可能な体の働きがゆえに、禅やヨーガやリラクゼーションなどではその働きを精神の落ち着きを獲得する導入に使うことを考えます。

ですが、意識してもできるけれども、呼吸も自然な働きのひとつであるといったほうがいいでしょう。
そして、一歩一歩あゆむという活動も、同じようにそれが自分の一部となってしまえば自然な働きになるのです。

他にも方法があるのではと、あれこれ目をそらして横道を歩こうとしなければ、ただ黙々と一歩一歩あゆむことは意識しなくていいほど自然なものとなってしまうでしょう。

そのような自然に任せる動きをすることは、努力してやることではないといってもいいでしょう。
そして自然な勤勉さに従うことは、努力であったり退屈なことではないのです。

それに対して、横道にそれたり、人為的な方法で楽をして進もうと考えるのはタオから外れたやり方であると考えます。
また一方で、歩き方に決まりを設けて「正しい歩き方」を守ろうとさせるようなことも、タオイズムの流儀ではないのです。

自然な働きが自分の一部となってしまえば、努力することもなく、簡単で気苦労もない歩みをすすめることができるのです。

その意味では一歩一歩進むという勤勉さも、ごく自然なことであって、わざわざ戒律を持ち出すようなこともないと考えるわけです。
「大道廃れて、仁義有り.... 道徳経第18章」というように、自然(タオ)から外れて道を見失うから、仁義や孝慈といったことを改めて持ち出さなければならないのだというわけです。

ari.jpg


広い道を一歩一歩あゆむ。「千里の行も足下より始まる 道徳経第64章」
しかし、このような堅実な歩き方を面倒に思ったり、横道を探したくなるのも現実のようです。

一歩一歩堅実に歩くのが確実だと思っていても、なにかもっと早く進める方法があるのではないか、もっと楽に未来を約束してくれる妙法はないだろうかと考えたくなるのです。

そして現代の世の中はまさに、そのような楽な方法を探したり、誰かにそれを次々に見せられて右往左往しているといったイメージを持たないでしょうか。

私たちが日頃せっせと努力していることの多くが、横道を探すことだったり、刺激的で魅力的に見える新しいおもちゃを求めることだったりするのです。

真ん中の道を行くことは、退屈で魅力がないと感じがちです。

それと比べて未来を保証してくれるような、新しい未知のおもちゃは、あやしげではあってもひどく魅力的に見えるものです。

「簡単にできそうだし、努力も要求しないようだ。そして効果を高らかに保証している。」
同じことが続くつまらない日常から逃れるには、ちょっと覗いてみてもいいのではないかと思ったりするのです。

しかし、試してみたらそのような方法は結局効果がないし、元の木阿弥だったということになるのです。
こんなことなら、地道に歩いていれば少しは前に進めていたのにとその時は後悔するのですが、しばらくたつとすっかり忘れて「こんどこそ間違いないのでは」と希望的観測で動いてしまいます。

このような新しいおもちゃは、最初は魅力的に見えても、すぐに他と変わらないことに気づきます。
そして、やっぱり地道にやっている方が確実だったようだと思い始めるのですが、ここまで来たらひょっとしてもう少しで大当たりするのではないかと期待の方を信じたくなって残念な結果を見るまでやめられない。

「この不安を我慢して信じていれば、人よりもいい目を見られるかもしれない」
そんな考えに根拠はないのですが、人の射幸心をくすぐるのです。

またこのようなどこか正当さに欠けるやり方は、やっている間には不安がつきまとうし、終わったあともうまくいった、いかないに関わらずどこか後味の悪さを感じるものです。

いい加減に、横道にはうんざりしてきた。
もっと堅実で、余計な不安を持たないやり方に戻りたい。

そのような気になったら、シンプルなやり方に戻るのがいいでしょう。

歩く人シンボル


自然な働きにあわせて、堅実にありそうもない期待は持たずに進むやり方。
それを自分の一部としてしまえば、努力することもなく、簡単で気苦労もない歩みをすすめることができる。
それがタオイズムの流儀なのです。

そしてそのような理由から、タオイズムは努力を必要とするやり方をやめなさいというのです。


気に入っていただけたら応援お願いします ↓↓
 人気ブログランキングへ にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 癒し・ヒーリングへ
http://www.blogpeople.net/addlink.jsp?n=1&u=http%3A%2F%2Fpaostao.blog66.fc2.com%2F&ti='+escape(document.title),'blop','scrollbars=no,width=475,height=350,left=75,top=175,status=yes,resizable=yes'));">このブログを登録 by BlogPeople




[関連記事]
老子の道はあたりまえの道
結果を目指さずトータルに生きる


関連記事

ACR WEBブログパーツ

テーマ : 人生を豊かに生きる
ジャンル : 心と身体


にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 癒し・ヒーリングへ


現実とあなた自身のずれがなくなるほど、あなたは無理している自分を発見できるでしょう・・・
思考と感情からの解放~そして現実のみを信じる3ステップ|ヒーリング・スピリチュアル | ココナラ

スポンサード リンク







コメントの投稿

非公開コメント

No title

無為とはいえ、寝転がっていないで前には歩こうよ。
って感じなんでしょうか?
なんだか乱暴な解釈のようですが、ちょびっとわかったような気がします。

こんにちは(^^)

横道にそれてしまったけど、そこからまた元の道に戻ることは、かなり勇気がいりますよね~。
後悔しないためにはどちらが良いかを考えていると、それだけでストレスになりそうです。
横道にそれず、地道に歩んでいくようにします^^

Re: こちくんさん

> 無為とはいえ、寝転がっていないで前には歩こうよ。
> って感じなんでしょうか?
> なんだか乱暴な解釈のようですが、ちょびっとわかったような気がします。

「歩こうよ」と促しているというよりも、歩きたくなるのが自然ですよという感じですね。
「ずっとなにもしないで寝てていいよ」と言われたら、せいぜい2,3日で動き出したくなるでしょう。
その自然な衝動を大切にするということ。
また人為的な努力でやるべき事をとなえながら動くこととの違いを見分けようという事です。

しかし、あとで気が付きましたが、文章が少しまずかったかもしれません。
実際に足を動かすことが自然なことと言っているのと、人生を歩くことにたとえている部分が、ごっちゃになっていて混乱しそうですね。

Re: こんにちは(^^)

> 横道にそれてしまったけど、そこからまた元の道に戻ることは、かなり勇気がいりますよね~。
> 後悔しないためにはどちらが良いかを考えていると、それだけでストレスになりそうです。
> 横道にそれず、地道に歩んでいくようにします^^

そうですね、訂正することは勇気が入ります。
いままで自分が間違っていたことを認めないといけませんからね。
ですが殆どの場合、いつまでも引きずると被害はさらに広がるのです。
sidetitle最新記事sidetitle
《最近7日間の人気順位》
~ランキング全体をみる~
~ランキング全体をみる~

sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle全記事表示リンクsidetitle
過去の記事はこちらから↓

全ての記事を表示する

sidetitleブログ紹介sidetitle
☆~新刊⌒☆
☆ちゃん見るシリーズ☆


好評発売中


アルファポリス
第2回エッセイ・ブログ大賞
特別賞『タオに生きる』 pao
WebコンテンツPickUP!タオに生きる
【 エッセイ・日記・blog > blog 】
老子の教えに学ぶ
老子のいう「タオに生きる」ということはどういうことなのか。さまざまなアプローチから、自らの考えや学んだこと、思ったことが綴られています。心をやすめ、身体をやすめ、穏やかで落ち着いた生活をしたい……そう願う人たちにとって、ヒントに溢れたブログです。


ez-HTML





PRR
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカレンダーsidetitle
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
sidetitleにほんブログ村sidetitle
sidetitleスポンサード リンクsidetitle
sidetitleメール心理相談sidetitle
メールを利用して1,000円/週で心理相談を受け付けています。
詳しくは下記から「どういう内容か知りたい。」旨のメッセージをお送りください。





アクセスカウンター
アクセスカウンター
アクセスカウンター
ブランド買取優良店***word-2******word-3******word-4******word-5******word-6******word-7******word-8******word-9***


このエントリーをはてなブックマークに追加

sidetitleジャンル・ランキングsidetitle
[ジャンルランキング]
心と身体
89位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
スピリチュアル
24位
アクセスランキングを見る>>

sidetitle検索フォームsidetitle


もう一つの「タオに生きる」カテゴリー別
Screen Shot_30p ※徐々に更新しています
タオに生きる(人間関係)
タオに生きる(アドバイタ関連)
タオに生きる(YouTube#1)
タオに生きる(YouTube#2)


[上位タグ20]
感情、莊子、思考、怒り、罪悪感、老子、いまここ、人間関係、バイロン・ケイティ、交流分析、タオ、エックハルト・トール、ありのまま、許す、YouTube、老荘思想のコラム連載、不安、過去、無為、OSHO

sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleアクセスランキングsidetitle
訪問いただいているサイト
(週間 木曜日リセット)
※こちらでタイトルを入れさせてもらっていますが、出したくないとか変更したいという方はご連絡下さい。

sidetitleカテゴリsidetitle
カテゴリーを追加し整理しました。 バイロン・ケイティ、エックハルト・トール、ガンガジ、ムージ、OSHO
sidetitleQRコードsidetitle
QRコード
FX