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虎を描いて猫に成らず/なんでもない私はどうすれば?

「虎を描いて猫にも成らず」

虎を描いたつもりが、猫にさえ見えないような絵しか描けない。
そんな未熟な自己を恥じています。

といった意味に受け取られるこの文章ですが、これは良寛が自分の半生を振り返ってうたった詩の一部分です。

『少年父を捨てて他国に走り、辛苦、虎を描いて猫にも成らず。人あって若し筒中の意を問わば これはこれ従来の栄蔵生』

良寛は自分の無力さを感じて、父や家を捨てて優れた僧になろうと修行の道に入るのですが、しかし、それもどうやら落第であったと歌っているのです。

そして、「人から、もしお前はどんな人間になれたのかと聞かれたら、元の栄蔵のままです、と答えるしかないのだ。」と続けています。
※栄蔵は良寛の出家前の名前

良寛はこの言葉通り、自分の未熟さを恥じていたのか、あるいは半生を振り返る年齢になって、この言葉の裏に悟ってきた考えが隠されているのか、それは良寛に聞いてみなければわかりません。

虎1

しかし、私たちは誰しも最初は「虎」を描こうと夢をいだいて、それに挑戦するものです。
その結果「虎」を描けるようになる人がいれば、「猫」しか描けない人、「猫」すらも描けない人もいるでしょう。

それでは「虎」を描けるようになれた人だけが、やってきたことに意味があるのかといえばそんなことはないわけです。
中には「猫」を描くことでエキスパートになれた人がいるかも知れない。
あるいは人から評価されるような意味では何も達成出来ていない人もいるでしょう。

ここで「虎を描ける」ことをどのように考えるかは、人によって意見が分かれるところでしょう。

あくまで「虎を描く」ことこそが目指すべきことだと考える人。
このような人は、極端に言えば、虎でなければすべて失敗だということになります。
猫などでお茶をにごすような人間では甘いと考えるのです。

別の人は「猫」は猫なりに、「虎」は虎なりの価値があるのだから、どちらが上ということはないと考えます。
それに加えて、問題はその人が精一杯やったかどうかが問題だと。
ここではしかし、虎と猫を比較したり、努力の度合いで価値を測りたいというニュアンスがまだ感じられます。

あるいは、虎を描くべく生まれてきた人は虎を描けばいいし、猫の人は猫を描けばいい、絵を描けない人は他人の絵を楽しめばいいのだ、といった考え方もあるでしょう。

猫7

しかしここで言いたいのは、どう考えるのが正解ということではありません。
どの考え方にも、場面によっては必要なことがあるわけで、どれか一つを正解だと決めつけるのは、それはそれで問題があります。

そうではなくて、自分の現在の向かっているのはどういう方向なのかということであり、それが必要ないとしたらどうなるだろうかということです。

私たちは社会の中で暮らしていれば、自然と「虎」になりたいと思うようになって行きます。

現在自分がそうでなくても、「虎」のひとは凄いんだと思うし、いつか自分もそうなりたいと思ってしまうのです。
また、それは裏返せば、「虎」になれない自分は「虎」のひとよりも下に思ってしまうわけですし、「猫」の自分は「猫」にすらなれない人を自分より下に見ようとします。


そして、このような比較が自分の価値観に影響をおよぼすようになれば、生きることがだんだんしんどくなってくるのです。

ここで、しんどくなる原因はこういうことです。

「虎」に近づけば喜び、遠く及ばないとダメだと思って苦しくなる。
そしてさらには、「虎」になれる人はまわりから受け入れられるのであり、そうでないと相手にされなくなるのだ、というように考えを飛躍させていくからです。

ところが、自分が他の人を見る場合を考えてみてください。

必ずしも、「虎」の人ばかりに好意的になるわけではないことに気づくのではないですか?

また、「虎」ではなくて、「猫」でも、「猫」にすらなれない人でも、その人が自分を隠さずに生きているのを見るとホッとしたり、好感を抱いたりするのです。

しかしそのあたりに気づいていないと、「虎」でもないし、何にもなれないような自分では、まわりから認めてもらえないと思い込んで、「私は虎ですよ」と見せかけたくなるのです。

托鉢のお坊さん


さて、良寛ももしかすると、虎を描いても猫にも成らない自分だけど、それでいいではないかと言いたかったのかもしれません。
だから、「私は良寛でもない栄蔵のままでも充分なんですよ」と言っている。

こんなことを言っているかもしれません。

「栄蔵のままでいられることが、駄目だった私からすくい出してくれる妙法であると悟ったのです。
比較に生きることをやめたら、こんなに楽になりました。
真似をしろとは言いませんが、私を見てそれを感じ取ってくださればいいんですよ。」

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栄蔵のままで良かったなら、出家する必要性もなかったかな?
なんて意地悪な感想を持ってしまいました。
でも出家したから、栄蔵のままでいいことに気づいたんでしょうね。
実際に生活しているなかで、そのような境地にはなれません。
数字に追われてしまいますねぇ

Re:こちくんさん

> 栄蔵のままで良かったなら、出家する必要性もなかったかな?
> なんて意地悪な感想を持ってしまいました。
> でも出家したから、栄蔵のままでいいことに気づいたんでしょうね。
> 実際に生活しているなかで、そのような境地にはなれません。
> 数字に追われてしまいますねぇ

出家しなくても栄蔵のままでいたでしょうが、出家を思い切るだけのエネルギーを秘めた栄蔵であるからには、
他の形をとったにしろやりたいことが表現されたのでしょうね。


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