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理性で生きているつもりでも

私たちは普段、何を考えているか自分でわかっていることばかりを対象にして、あたかもそれがすべてであるかのように暮らしています。
それに比べて、感情というのはつかみどころがないものが多く正面から向き合うことはあまりありません。
むしろ、感情はなんとなく厄介なものという感じで避けてしまって、すぐに日常の具体的な用事を見つけて忙しがったり、行動に走ろうとするのです。

ゆっくり静かな時間を持つよりも、すぐにテレビをつけたり、家事を片付けようとしたり、あるいは買い物にでかけたりと、無意識に感情に浸るような時間を作ることから逃げてしまうようです。

確かに思考から思考に移動し続けているのは簡単だし、何をしているかはっきりしている気にもなるので安心できますが、いつも表に出してもらえない感情はそれによってさらに扱うことが難しくなってしまいます。

怒る女性     悲しむ制服女性


たとえば、いますぐ怒りをあらわしてくださいとか、悲しい感情を表現してみてくださいといわれたらどうでしょうか。
思考の場合とは違って、直接感情を引き出すのは難しい事に気づかれるのではないでしょうか。
演技の練習をしている方ならともかく、いきなり感情に入ることは難しいわけで、おそらく感情を表現しようと思ったらまずはその感情を引き起こすような場面を思い浮かべないといけないでしょう。
つまり、意図的に感情を引き出すには、まずは思考を使って感情を引き出すような状態を作り出す必要があるのです。

しかしそれでは感情的になるのは、いつも思考を経由しているのかといえば、必ずしもそういうわけではありません。
いきなり「感情がほとばしってくる」と表現されるような状態があることは経験されているでしょう。

理性的になろうとしても、思考などを追い越して急激に情動的な反応に入ってしまうということが起こるのです。
まさに感情が、溢れ出すとか吹き出すような状態になると、いつもの思考を経由した流れでは制御ができなくなってしまいます。

これは、おそらく思考を経由するのとは違った回路で反応が起きてしまうということでしょう。
ちょうど何か身の危険があるようなことが起きたような、緊急事態の反応にも似た現象が起きるのです。

大脳辺縁系に属している「扁桃核」と名づけられた脳の部分は、「古い脳」と呼ばれていて、原始的な情動を想起させる脳の機関であると言われています。
実際、扁桃核が損傷すると、恐怖心、不安感、不快感が喪失するため、本来なら危険を感じて回避する場面に遭遇しても反応できずに回避行動が取れなくなると言われます。
また、この扁桃核はその不安などを感じた状況を記憶する働きがあるらしく、同じような状況が発生すると不安感などが蘇ってくることになるようです。

急激な情動反応がなぜ起こり、どう対処するのがいいのかを考えるには、この情動を呼び起こす扁桃核の働きについて知っておくことも何かの役に立つでしょう。

もともとこの原始的な情動が発動するのは、何か身の危険があるような場合に遭遇したときに、素早く反応するために備わってきたと考えると当たっているように思えますね。

ところで危険に対処する場合に、その危険な状況をあまりにも精密に記憶していたのでは、それに近い状況に遭遇しても同じではないと判定してしまう可能性があります。
それよりもある程度似た状況が起きたら、例え間違ったとしても一旦は危険に対処するように身構えられたほうがいいはずだと考えられますよね。
実際、この扁桃核の反応は一部の要素が一致すると情動が発動されるというように、あいまいにファジーに判定が働くようにできているようです。

脳


ところが、何事も長所でもあれば短所にもなるわけで、このあいまいな判定は危険の回避のためには有効ですが、必要のないときにも発動されてしまうと、それがじゃまになるということもあるわけです。

たとえば、何かを聞いたり見たりしたことがきっかけで、不安になったり憂鬱になったりという反応が起きるとします。
理性的に考えれば、いまは何も問題のない状況だから「もう不安に思ったりする必要はないんだよ」と考えてなだめようとするのですが、なかなか理性では制御できないという場合があるものです。
そしてその時、不安な反応が誤作動でたびたび引き起こされることになれば、いつまでも気分が落ち着かないままになってしまうということも考えられます。
ちょうど火災報知器が反応が良すぎて、火事でもないのに機能してしまうようなものですね。

思考が途中に介在できるような反応であれば、まだ扱いやすいのでしょうが、別系統で反応してしまう情動は理性的に収めようとしても限界があるということになります。

現実的な問題を考えてみるなら、たとえばいままでいじめられた傾向がある人は、ちょっとでも似た傾向がある人に出会うと、またいじめられるのではないかと思って恐怖を感じてしまうといった障害が起きてしまいます。

理性でコントロールするのが難しい以上、このような感情と付き合うには、できるだけ自分の陥りやすい感情傾向を知っておくというように、直接自分の感情と向き合うという対処方法が必要でしょう。
あなたの感情の傾向を知りましょう

また、直接日常生活に支障をもたらすことはないにしても、自分の感情傾向を知っておいたり、感情と向き合う機会を多く持つことはいろんなメリットがあるはずです。

最初の方で述べたように、私たちは思考に入り込むことは慣れていて容易にこなせるのですが、感情と向き合うことはなかなか避けてしまう傾向があります。

思考活動のようにゴールがはっきりしたものと比べて、それが何の役に立つのか見えにくいのが、感情と向き合うことです。
ですが、すこし長期的に見るならそのような時間を普段から持つことは、結局は理性的な活動を行う場合にも、もっと効率的に行えるための助けにもなるでしょう。
また、そもそも自分の感情を抑えないで扱えたほうが、いきいきした日常を送るためにも必要なことであるのは言うまでもありません。
発散できない感情をいつまでも抱えたままにして、それを理性で押さえ込むという無理な生き方は、いずれその感情に関係した問題に直面しなければならなくなるでしょう。

どのくらい自分が普段から感情をないがしろにしているかを、たまには考えたいものです。

瞑想する顔


たとえば、思考活動をストップしてどれだけ平気でいられるかを試してみると、あなたのその傾向がつかめるかもしれません。

何も考えず、何もしない時間を過ごしてみようとします。
思考を使わずにいるとすぐに不安になってくるのを感じるかもしれません。
こんなことをしていると、普段避けている感情を思い出すから、すぐに何か考えて自分を忙しい状態に追い込もうとする反応が起きたりするのです。

何も考えないでいようと思うと、とんでもなく時間がたつのが遅く感じられるかもしれません。
「こんなことは馬鹿げている。はやくもっと役に立つことを始めよう。」という思考が入り込んでくるかもしれません。

そのような様々な抵抗を感じてもひたすら受け流して、できるだけそういった時間を作るワークをしてみれば、自分が今までいかに思考を手放せない生活をしてきたのかが分かってきます。
また、思考が介入しない感情のための時間を持つことにたいして、いままでよりも不安に思うことがだんだん和らいでくるでしょう。

「感じることを怖がってなどいないよ」と理性ではいっていても、実際には感情をこわがって逃げ回っている自分を発見する可能性が高いのです。
「ワーカホリック」という言葉がありますが、曖昧な時間を持つことで感情と向き合うことになるのを恐れて、すぐに忙しさに逃げ込もうとするのが習慣になってしまうのです。

それが高じてくると、なかなか自分の感情との接点を持てなくなります。
また、そこで不安から逃げようとしてさらに理性で感情を抑えこもうとすることは、悪循環を生み出してしまうことにもなります。

「自分は理性的な人間だから心配ないよ」と言っている人が、一番危ないとも言えるのです。

スピードを落として、何かしたいとはやる気持ちを抑えるとどうなるのかを試してみるのです。
いまから30分、予定のことを一切考えない時間を持ってみようと宣言して実行してみるのです。
「無駄だ」という声を無視して、自分の感情にとことん付き合ってみましょう。
そしてこのような時間は、あとで充分に取り返せるし、メリットも大きいということを信じて実行してみるのです。


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脳の働きってよくできていますね~
とても感心してしまいました。

感情ってなかなかコントロールできないし、千変万化で捉えどころがないですね。
それが面白いとも思います。

Re:こちくんさん

> 脳の働きってよくできていますね~
> とても感心してしまいました。
>
> 感情ってなかなかコントロールできないし、千変万化で捉えどころがないですね。
> それが面白いとも思います。

そうですね、思考能力だけ進化し続けたら、生きるとは何かが分からなくなってしまいそうな気がします。

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