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名のない領域(言葉と無意識)

名の有る領域と
名の無い領域は、同じ源から出ている、
名が有ると無いの違いがあるだけなんだ。

名の有る領域の向こうに
名の無い領域が、
はるかに広がっている。

老子『道徳経』第一章より
タオ 老子 加島祥造 ちくま文庫


この第一章のフレーズは、言葉で表す世界とその裏にある無意識の世界のことを言っていると考えるとわかりやすいと思います(老子のもとの意図はどうかわかりませんが)。

人間は言葉を手に入れたことで、飛躍的に思考能力を獲得しました。
しかし一方で、言葉の持つ不完全さ故に、言葉によって苦しめられるという宿命も背負ったわけです。

今までの文章で、なんども「こだわり」によって問題がおきると書いてきましたが、
「こだわり」が問題を起こす場合には、言葉の使い方がもたらす問題がその背景にあると考えてもいいのではないかと思います。

名の無い領域」の有る部分をとらえて特定の言葉を当てはめる。
また別の状況から「名の無い領域」の同じような部分に別の言葉を当てはめる。
もとはほぼ同じなのに、別の言葉を使う様になった結果、言葉がそれぞれ一人歩きして矛盾した解釈をもたらす様になってしまう。

たとえば、「向上心」という言葉は、「向上心」がないと人間は進歩しないとか、あの人の「向上心」を見習いなさいとかいっていい意味に使われることが多いですね。

一方「欲」という言葉、無欲でやっているうちは、うまくいっていたのに「欲」を出したために失敗してしまった、という風にどちらかというと悪い意味合いで使われることが多い言葉です。

しかし荒っぽい言い方ではありますが、この両方の言葉が指している「名の無い領域」というのは、違う方向から見て名付けただけで、ほぼ同じものを指している様に思えます。

「私は無欲ですが、向上心も人一倍有ります」、というような言葉遣いをしていればいつか自己矛盾に苦しむことになってしまうのではないでしょうか。

ちなみに老子では不必要な欲を捨てることを説きますが、完全な無欲を目指せと説いているわけでは無いと思います。

老子の訳では多くの場合「タオに近い人は」という言い方が使われます。
人間はタオに近づくことで本来の在り方を取り戻せると説いているわけで、タオそのものになれとか、なれるとか言っているわけではありません。

話を元に戻すと、思考の道具として便利な言葉も、その持っている特性ゆえに時として自分を苦しめることにもなるということです。

それを防ぐにはどうすればいいか少し考えてみました。

(1)正確な言葉を選んで使うこと。
出来るだけその背景にある領域を一意に指し示す様な、正確な言葉を選んで使う。

(2)不用意に新しい言葉を取り込まない。
新しい言葉を使う時には、その意味するところを自分なりに正確に捉えておきたいものです。語彙が豊富なのはいいですが、不正確に覚えるのなら逆効果。

(3)自分の中で相反する2つの力を感じる様な状況(アンビバレンツ)が有ると感じたら、それに関連して自分が使っている言葉(こだわりの言葉)を探してみることが有効な場合が多い。

もっともっと自分の使っている言葉を点検し大切にしていけば、「こだわり」から来る自己矛盾といったものに苦しめられることがなくなってくるのではないでしょうか。



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