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牛過窓櫺(ごかそうれい)/ 無門関

牛過窓櫺(ごかそうれい)

「うしそうれいをすぐ」とは、禅の公案集「無門関」の第三十八則に出てくる公案です。

たとえば牛が通り過ぎるのを窓の格子ごしに見ているとする。
頭が通り過ぎ、続いて角が、前脚、後脚と通り過ぎる。
ところが、しっぽの部分だけがいつまでたっても通り過ぎないのだ。
これはどういうことだろう?


禅の公案ですから、これが正解というものがあるわけではありません。
解釈の仕方は、人の数だけあってもいいわけですし、考えるという行為自体に意味があるとも言えるものです。


牛3


しかしそんなことを言われても、手がかりもわからないのに考えようがないでしょうし、禅の修行をやろうというわけではないので一つの考えを書いてみたいと思います。

「しっぽの部分」とは何か?
「通り過ぎる」とはどういうことか?
これらをどう捉えるかがポイントになりそうですね。

私とはこういう人間です。
といってすらすら答えられる部分が、頭であり角であり、前脚、後脚なのです。
ところがそこまで答えて、後が続かないのが「しっぽ」というもの。

「しっぽ」とは、見せられないもの、欠点や隠された欲望、あるいは自分でも見えなくなっている部分を象徴しているのだと捉えるのが一つの解釈です。

つまり頭や脚といった私自身と同一視している自我に対して、外には見せようとしないし自分でも押し込めている抑圧された自分が「しっぽ」なのです。

「私(自我)」は、平然と窓外を通り過ぎることが出来ますが、「しっぽ」は例外で自分で思うように扱えないので動けなくなっているのです。

あるいは、「私(自我)はもう通り過ぎた」と言っていても、なにかを置き去りにしてしまった気がしている。
忘れ去られた、「私」と認められないでいる自分を扱いかねて戸惑っている姿こそが「しっぽ」で止まっている牛の姿なのです。

もう私は通り過ぎた、残ってなどいないと言い続けながら、何度も何度もその窓の所へ戻ってしまう。
これを解決するには、やはり私の「しっぽ」と向き合うしかありません。

しかし「明確な自分」と「曖昧でとらえどころのない自分」というように、私を対立させて捉えようとしてもかえって難しいものです(向き合うことが不要といういうわけではありませんよ)。

そうではなく、同じように対等に自分を離れた所から眺めてみるというのが、むしろやりやすいのかもしれません。

窓の外を牛が通り過ぎていくのを眺めるように、自分の思考が通り過ぎていくのを眺めてみる。

頭を見て「これは私だ」とか、尻尾を見た途端に「こんなのは私じゃない」とか反応しないことです。
ムキになって否定しようとしている「しっぽ」を見かけたら、これも私の一員だと認めて、今まで邪険にして悪かったと和解することです。

力まずに、ただ流れていくのを眺めるように扱ってやれば、対立は起こらない。

いつものように即座に否定しようとする「私」が登場してくる様子も、劇でも見ているように窓のこちら側から眺めているのです。

牛の尻尾


「暴力的な私」が見えるかもしれません。
「残酷な私」が見えるかもしれません。

しかし、それを認めたら、自分がとんでもないことをするのではないかと恐れることはありません。
暴力的な行為がもし起こるとすれば、それは自分で気づかないまま無意識に起こってしまうでしょう。
存在に気づいているからこそ、そんなことは実際には起こらないのです。

心の安定はその存在を調べて認めているときに得られます。
その存在を否定したり、避けている限りいつまでも「しっぽ」のまま存在することになるのです。

「しっぽ」と和解しましょう。
そしていっしょに通り過ぎましょう。


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No title

ある方のしっぽを見てしまいました。。
見てないことにしようとしても、その方(私より強い立場の者)が
見られたと確信して、いじめや脅し、威嚇の行為に走られます
そんなとき、見なかったと知らぬふりしかないのでしょうか
 
ごめんなさい、変な質問です~

Re: ほのぼのさん

> ある方のしっぽを見てしまいました。。
> 見てないことにしようとしても、その方(私より強い立場の者)が
> 見られたと確信して、いじめや脅し、威嚇の行為に走られます
> そんなとき、見なかったと知らぬふりしかないのでしょうか
>  
> ごめんなさい、変な質問です~

まずは問題はすべて自分の中にあると限定してみたらどうでしょう。

「いじめや脅し、威嚇の行為」も自分がどれだけそのように受け取るかが、ほとんどをしめるものではないでしょうか。
(現実の相手からの行動がどれだけあるのか、どれほど深刻なものなのかはわかりません。
たとえそのようなものがあっても、それを無くすには受け取る側が問題にしないことが一番だと思います。)

「しっぽを見てしまいました。」
その時の私は偶然見つけたのでしょうか?
いやな上司だから、なにか弱点はないかとか無意識に見ていたかも知れません。

誰かの「しっぽ」を見かけても、それをどう受け取るかはその人次第です。
あるひとは、そのことで相手により親しみを持つかも知れません。
それが、相手が見せまいと隠していて、見られたら自分を攻撃してくるに違いないと考えるのも、
受け取り側の要因がほとんどではないでしょうか。

相手の人に見る嫌な面というのは、自分の中にも持っている部分であることが多いものです。

外側に敵がいると思わずに自分の中にそれを探してみることに専念すれば、
実際の外側の人とは戦わずして敵がいなくなることも考えられるのです。

「知らぬふり」とは言葉にはあっても、実際には出来ないものです。
それよりも、相手の中に見つけた「自分のしっぽ」を探してみてはどうでしょうか。


No title

すみません、丁寧なご回答感謝しますm(__)m

知り合いが上司の覚えめでたく、それを嫉妬なさったひとつ下の
上司が、その知り合いを根も葉もないうわさを流し攻撃なさり・・・
それを知ったわたしが、少し意見を述べると、わたしも
根も葉もないうわさを立てられ、その場での立場を
ご自分に有利に持って行かれた・・・そんな感じです

でも、さらっと受け流しました。。
分かってくださる方は、無言で皆そばにいてくださったので^^
すべて、自分を顧みればいいのですネ^^
そのために、そのようなことも起きたのかもしれません
おごらず卑屈にもならず、平常心で・・・
淡々と歩きたいと思います
自分をもっと顧みたいと思いました
ありがとうございました^^

No title

ごかそうれい・・です

Re: No title

> ごかそうれい・・です

ご指摘ありがとうございます。
訂正しておきます。
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