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意地悪な人 - エゴグラム

意地悪な人というか、他人の弱点を突くのが得意で、相手に痛手を与えてしまう人がいるものです。

もちろんそんなタイプにもいろいろあるでしょうが、典型的なパターンと標的にされる人との関係などを見てみたいと思います。

ジョン・M・デュセイ「エゴグラム―ひと目でわかる性格の自己診断」のゼストの症例をベースに書かせてもらいます。

「エゴグラム―ひと目でわかる性格の自己診断」 ジョン・M・デュセイ / 創元社 / 1983 /



内容に入る前に「エゴグラム」や「交流分析」について、必要な知識を紹介しておきます。

エゴグラム - Wikipedia


エゴグラムとは、エリック・バーンの交流分析をもとに弟子のジョン.M.デュセイが考案した分析法である。

バーンの交流分析では親らしさのP(Parent)、大人らしさのA(Adult)、子供らしさのC(Child) の3要素が用いられたが、デュセイはPをさらに批評的な親であるCP(Critical Parent)と養育的な親であるNP(Nurturing Parent)に、Cをさらに自由奔放な子供であるFC/NC(Free Child/Natural Child)と従順な子供であるAC(Adapted Child)に細分化し5つの要素で分析する(後述)。

それぞれの要素は必ずしも高いほうがよく低いほうがよいというわけではなく、あくまでもその人の性格や人との関わり方などを表したものであり人の優劣を表すものではないが、一般にそれぞれの要素が中庸または強くかつバランスがよいのが理想的であるとされる。

日本では東大式エゴグラム(TEG)によりグラフで表示することが考案されたことで自己分析法として広く一般に知られることとなったが、国際的には 3要素で分析することが今でも一般的である。

5つの自我状態

* 親の心(P)は親などの影響を受けて形成され、CPとNPに分けられる。

CP(厳格な親の心)・・・信念に従って行動しようとする父親のような心。自分の価値観や考え方を譲らず、批判的である。
NP(保護的な親の心)・・・思いやりをもって他者のために世話をする母親のような心。優しく、受容的である。

* 大人の心(A)は科学的な思考・行動の自我状態。

A(合理的な大人の心)・・・事実に基づいて検討・判断する大人の心。冷静で客観的である。

* 子供の心は(C)子供の自由な感情・環境へ反応の自我状態で、FCとACに分けられる。

FC(自由な子供の心)・・・自分の欲求・感情に従って行動する自由な子供のような心。明るく、無邪気である。
(NC)(自然な子供の心)・・・FC(フリーチャイルド)の別名、ナチュラルチャイルド=自然のままの子どもの意。
AC(従順な子供の心)・・・自分の感情を抑えて他人に良く思われようとする従順な子供の心。

エゴグラムを用いた自己分析

自己分析方法としては東大式エゴグラム(TEG)やその応用が有名である。質問紙法で、50程度の質問に答えていき最後にそれを集計し点数化したものをCP、NP、A、FC、ACの順に点数を基に点を打っていき、グラフにする。グラフから各自我状態の強弱・性格の傾向を知ることができる。点数が高い自我状態はその自我状態の傾向が強いということであり、低いものはその傾向が弱いということである。(例えばNPが高い場合は優しくて思いやりが強い、低い場合は思いやりに欠け、冷たいというように判断できる。)

普通、子供の頃はCPやNPが低くFCやACが高いため右上がりになり、年を重ねるとCPやNPが高くなりFCやACが低くなるため次第に右下がりとなる。

一般に、日本人ではNPが最も高い山型でCPA>FC>ACとなるへの字型が最も多くかつ理想的とされ、欧米では Aが最も高い山型が最も多くかつ理想的であるとされる。



それではデュセイが紹介している「ゼスト」の症例に入ります。

ゼストの問題は、孤独であり不幸や絶望感を漂わせていて、ひとりぼっちになると飲み過ぎ、ひとりアパートで飲み過ごすけれど誰ひとり彼のアパートには訪ねてきません。

エゴグラム(ゼスト)自我状態

ゼストのエゴグラムは、FC(自由な子供)が最も高く、次にAC(従順な子供)が続きます。
その次に来るのはCP(厳格な親)とA(合理的な大人)であり、他と比べてNP(保護的な親)が非常に低くなっています。

ゼストの幼少期の家庭環境は、父親はゼストが幼い頃に家庭を捨てて出て行ってしまい、母親は彼女自身の問題から人との親密さを持つことに問題を持ちます。

機会あるごとにゼストは妹をいじめていて、彼女の叫び声やかんしゃくを楽しんでいました。

母親との関係では普段親しさを見せない彼女に対し、ゼストが悪ふざけをしているときには注目を集められることを知ってそれを利用していました。

ゼストはグループセラピーの場では、参加者の何人かに意地悪を見せます。
ターゲットになった他の患者は、痛い所を突かれて逃げ出したり、パニックになってしまいます。

いじめゲーム

ゼストの「いじめゲーム」は、表面的には他の人も認める様な客観的な事実を指摘する、A(合理的な大人)同士の会話を取っていますが、その裏側での実質的な交流は、彼のFC(自由な子供)から相手のAC(従順な子供)へ向かいます。

つまり、子どもの直感的ないじわるさで、相手の怖がっている部分を責め立てるというものです。

グループセラピーの他のメンバーは、ターゲットになった人達の弱点を含む問題点には気づいていましたが、まだそれを指摘して直面させるのは時期尚早と感じていたわけです。

その点で、ゼストは極端に低いNP(保護的な親)ゆえに、相手に対する思いやりや保護しようとする心が乏しいわけで、容赦なく相手を責め立てていくわけです。

表向きは「だって本当のことじゃないか」とAの会話に見せかけるわけです。

ところで、ターゲットにされたいじめられる側の弱みは、主にAC(従順な子供)にあります。

暴かれたくない弱みを隠して、発見されることを恐れていますが、子どもの直感的ないじわるさでゼストはいち早くそれを見抜いて、自分の得意な「いじめゲーム」を始めてしまうわけです。

「いじめゲーム」を行う人は相手のの特徴を探し出すよりも弱点を見つけ出すことに長け、それに固執します。

それが、ゼストが望んでいる孤独から解放されること、つまり親密な関係を結ぶことから遠ざけてしまっているわけです。

治療では、ゼストはNP(保護的な親)を強めることになりますが、彼の高いFC(自由な子供)(自由な子供)はがんこに意地悪行為を繰り返します。

しかし、病棟の患者や職員からの慰めや保証を受けている自分に気づくようになるにつれ、自分自身で他の自我状態を前面に打ち出せることや、FC(自由な子供)を制御できることを見いだしていきます。

「意地悪な人」は別に彼のようなパターンだけとは限らないでしょうが、子どもの直感的ないじわるさがその一端にあることが多いのかも知れません。

それに加えて、相手を気づかうNP(保護的な親)の欠如は、容赦のない暴き立てを生み出すわけです。

おこる男の子3     泣いている女の子


一方で、いじめの標的にされる人は、主にAC(従順な子供)に弱点を抱えています。
その弱点である自分の肯定できない部分を、いじわるな人は容赦なく責めてきます。

そのような人にとっては、このグループの場合のように、まだ直面できる段階にないとして時期が来るまで保護されることが必要な場合もあります。

隠したり、あるいは意識的、無意識的に直面することを避けることで自分が壊れるのを防いでいるのかも知れません。

しかし、そのままでは自分を肯定できないままの状態ですから、いずれにしてもその人は自分の弱点に直面するときが必要になります。

そうしないで、自分の弱点を隠している限り、誰かに暴かれてパニックを起こす危険を持ち続けることになるわけです。

いったん自分の弱みを認めてしまえば、「私はいまはこのような弱点を抱えていますが、徐々に克服するつもりです。あなたの指摘は正しいかも知れませんが、今は充分には対応できていませんから、必要以上に指摘されることを拒否します。」という態度を取ることも可能になってきます。

そして、本人が弱点を認めてしまうと、意地悪な子どもはもはや相手がうろたえないと分かって、急に興味を失います。

いじめ甲斐がないと分かれば、つまらなくなって標的にすることをやめてしまうわけで、いじめの対象になっていた人はその意味でも解放されることになるのです。


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非公開コメント

こんにちは^^

最近、色んな人と話していると、小さい時の育ちが見えるような気がします。いじわるな人、というのは小さいときの家庭環境に大きく影響されていますよね。
逆にいい家庭環境で育ったんだな、という人もたくさんいます。
いじめの標的にされた時は、はっきりと自分の弱点をみとめる、という”強さ”が必要なんですね。わかる気がします^^

Re: こんにちは^^

> 最近、色んな人と話していると、小さい時の育ちが見えるような気がします。いじわるな人、というのは小さいときの家庭環境に大きく影響されていますよね。
> 逆にいい家庭環境で育ったんだな、という人もたくさんいます。
> いじめの標的にされた時は、はっきりと自分の弱点をみとめる、という”強さ”が必要なんですね。わかる気がします^^

大部はしょってしまいましたけど、エゴグラムは直感的に書いてみるのがいいそうです。
質問に答えるやり方もありますが、直感的に自分のエゴグラムを書いてみるのもいいかと思います。

No title

ACとかFC、CP・NCなど、細かく分類されていて、大変興味深いですね。

自分は・・・
CPが多そうな気がします。
別に不幸な家庭で育ってないけど、そんな気が・・・

人当たりきつくなっちゃうんですよねぇ

Re: こちくんさん

> ACとかFC、CP・NCなど、細かく分類されていて、大変興味深いですね。
>
> 自分は・・・
> CPが多そうな気がします。
> 別に不幸な家庭で育ってないけど、そんな気が・・・
>
> 人当たりきつくなっちゃうんですよねぇ

CPが強いという印象はなかったのですが、CPと対応するACのセットが
あるのかも知れないですね。

いじめっ子に本気でやり返したらダメだよ

アル中になったり、自暴自棄になるから
そんくらいハートはガラスだから・・

この症例は実にリアルだよ。




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