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ずっと、何だって、僕が悪いんだ(論理療法1)

チャーリー・ブラウン:
ボクに妹ができたら、人生がすっかり変わるかもしれないって思ったけど、やっぱり、変わらなかった。

チャーリー・ブラウン:
みんなボクをきらってる...だれもボクのことを本当に好いてはくれない。
相変わらずそのことで落ち込むんだ...

ライナス:
かわいそうなチャーリー・ブラウン...

ライナス:
世界中のすべてのチャーリー・ブラウンのなかで、
彼こそ最もチャーリー・ブラウン的だな!

「いいことから始めよう―スヌーピーと仲間たちからの生きるヒント」
エイブラハム・J. ツワルスキー 新潮社 / 1995-02


いつも自己否定から落ち込む習慣のあるチャーリー・ブラウンですが、「本当にボクが悪いの?」という問いかけをしなければなりません。

すべてが「ボクが悪い」のだと考え続ければ、ウツへ一直線に突き進むことになります。

男の子悩む


ゆとり教育の弊害が話題に上る日本ですが、似たようなことはアメリカでもあったようです。
A.エリス等が始めた論理療法という心理療法がありますが、この考えに基づいて子どものウツなどの治療にあたっているマーティン セリグマン等の著書から引用してみます。 

また、以下では子ども達向けの例文を示していますので、お子さんのいらっしゃる方は一緒になって考えてあげたらいいかも知れません。

 アメリカではずっと前から「子どもに自尊心をもたせる運動」ともいえるものがつづいています。教室には「あなたは特別な子どもです」というスローガンが満ちあふれ、多くの教師や親たちが、子どもの自尊心を高めようと努力をしているのです。「自尊心こそ、すべての行動の基礎である」と考えているからです。
 そのために能力別クラス編成は廃止されました。下のレベルにいる子どもたちが自尊心を失うといけないからです。IQテストも中止です。得点の低い子が自信を失うと困るからです。みんながいい成績になりました。悪い成績をつけられた子どもは、いい気持ちがしないでしょうから。教室でも、習熟度の低い子どもたちに合わせて教えることになりました。学ぶのに時間がかかる子どもたちを傷つけないためです。競争はよくないものとなりました。
 しかし実際には、アメリカの子どもたちはかつてないほど、抑うつ的になり、悲観志向を強めています。うつ病はいまではまるで風邪のように、どこにでも見られるものとなり、中学生にも広がっているのです。

中略

 うつとは無力感と挫折の病気です。自分は無力で目標を達成できないと思うと、うつに陥ります。「自分」こそが大切なのだと信じるほど、「自分」の目標や成功、楽しみこそが重要なのだと思うほど、失敗したときの打撃は手痛いものになります。
 本来、自尊心をもつということは、課題を克服したり、努力が実ったり、フラストレーションや退屈に負けなかったり、勝利を収めることの結果や、副次効果として出てくるものなのです。現実世界のなかで「うまくやる」ことをとび越えて、自尊心をもてというのは、手段と目的を取りちがえていることにほかなりません。
「自尊心をもてる、もてない」ということは、成功と失敗の”原因”ではなく、”結果”なのだとすれば、自尊心をただもちなさいといいつづけても意味のないことです。必要なのは「うまくやる」方法を教えることなのです。


セリグマン等は、「非理性的な思い込み」が悲観的な感情による結論に導いてしまうのだとして、注意すべき3つの要素を挙げています。

それらは、「時間的広がり」「影響がおよぶ範囲」「自分化」の3つです。
この3つを分かりやすく言えば、タイトルにあるように「ずっと、何だって、僕が悪いんだ」ということなのです。

順番に見ていきましょう。

◆「時間的広がり」(一時的かずっとか?)

ウツになりがちな人は、うまくいかない状況が起きたときに、それが永遠に続くものだと考えがちです。

「いつもこういうことが起きてしまうに決まっているんだ。」
「この困ったことは、これからずっと続いて行くに違いない」

永続的に続くという考えを「今回限りの一時的な出来事に過ぎない」と切り替えて考えられるようになれば、ウツになるのを防止できるといえます。

《うまくいかない状況》
◎永続的(悲観的)「この学校で、私と友だちになってくれる人はひとりもいないだろう」

◎一時的(楽観的)「新しい学校に転校したんだから、友だちができるまでには時間がかかるもの」

◎永続的(悲観的)「うちの母親ほど意地の悪い親は、世界にいない」

◎一時的(楽観的)「お母さんはこれまでになくきげんが悪い」


◎永続的(悲観的)「トニーは私を大きらいになって、もう二度と私とは出かけないだろう」

◎一時的(楽観的)「きょうはトニーは私にカンカンに怒っているから、私とは出かけないだろう」


また逆に、いいことが起きたときには、その原因を今回限りだと考えてしまうことはウツにつながりやすく、ウツになりにくい人は原因は「永続的」なものだととらえるようです。

《いい状況》

◎一時的(悲観的)「今回は一生懸命勉強したから、このテストで一番になれた」

◎永続的(楽観的)「一番になれたのは、僕が努力家で、この教科をよく勉強しているからだ」


◎一時的(悲観的)「安全パトロールのキャプテンに選出されたのは、みんなが僕によくしてやろうと思ったからだ」

◎永続的(楽観的)「安全パトロールのキャプテンに選出されたのは、みんなが僕のことを好きだからだ」


◎一時的(悲観的)「パパが私といっしょにいてくれたのは、最近、パパのきげんがいいからだ」

◎永続的(楽観的)「パパは私といっしょにいるのが大好きなんだ」


自分の成功が「永続的」な原因だと考えられる人は、一度うまくいけば次回からもずっとうまくいくだろうと考えることが出来るのです。

それに対して、いいことは「一時的」と思ってしまう人はうまくいったのはまぐれかなんかだと思ってしまいがちなのです。

父親と娘1


◆「影響がおよぶ範囲」(限定的か全面的か)

なにかできごとが起きたときに、その影響が自分の人生のあらゆる所に影響してしまうだろうと考えてしまうのが、全面的ということです。

起きたことは、その事柄だけに言えることだと考えられれば、限定的に考えていることになります。

《悪いできごと》
◎全面的(悲観的)「教師なんて不公平なものだ」

◎限定的(楽観的)「カーマイン先生は不公平だ」


◎全面的(悲観的)「僕は、スポーツはすべて苦手だ」

◎限定的(楽観的)「僕は、フットボールは苦手だ」


◎全面的(悲観的)「だれも私を好きじゃない」

◎限定的(楽観的)「ジョンは私を好きではない」


《うれしいできごと》
◎限定的(悲観的)「僕は、数学はできる」

◎全面的(楽観的)「僕は頭がいい」


◎限定的(悲観的)「エリカがパーティに招いてくれたのは、彼女が僕のことを好きだからだ」

◎全面的(楽観的)「エリカがパーティに招いてくれたのは、僕がみんなに好かれているからだ」


◎限定的(悲観的)「僕は歌がじょうずだから、主役を演じることになった」

◎全面的(楽観的)「僕にはいろいろな才能があるから、主役を演じることになった」



泣いている女の子

◆「自分化」(「何のせい」と考えるか)

うまくいかない状況の時に、自分を責めるか、他人や状況を責めるかという二通りがあります。

失敗するたびに自分のせいにしてしまう人は、自分に対してあまり自信を持てず、やましさや恥ずかしい感情を抱きがちです。

責任回避はいけませんが、自動的に自分が悪いと判断してしまう習慣がある場合は、自分を正確に見ることを覚える必要があります。

いったん自分のせいでないと判断したなら、憂鬱にならずに自分は堂々としていればいいわけです。

もし自分にも責任があると考えられるなら、自分を全面的に責めるのではなく、一時的で限定的な非難、つまり自分の行動を責めるという切り分けをすることも出来るのです。


◎自分のすべてを非難する(悲観的?永続的、全面的、内へ向かう)
「テストで40点を取ったのは、僕がばかだからだ」

◎自分の行動を非難する(楽天的?一時的、限定的、内へ向かう)
「テストで40点を取ったのは、一生懸命に勉強しなかったからだ」


◎自分のすべてを非難する(悲観的?永続的、全面的、内へ向かう)
「体育のサッカーのチーム分けで、また最後までのこってしまった。だれも僕を好きではないんだ」

◎自分の行動を非難する(楽天的?一時的、限定的、内へ向かう)
「体育のサッカーのチーム分けで、また最後までのこってしまった。僕はサッカーはへただからなあ!」


◎自分のすべてを非難する(悲観的?永続的、全面的、内へ向かう)
「僕は悪い子だから、自宅謹慎になってしまった」

◎自分の行動を非難する(楽天的?一時的、限定的、内へ向かう)
「僕は人をぶったから、自宅謹慎になってしまった」



結果の非難

子どもを叱る場合にも、このような点を踏まえて批判の仕方を考えればいいでしょう。
子どもは、批判された対象だけではなく、もちろんその批判の仕方も自分のものとして吸収してしまいます。

「きょうは一生懸命やらなかったね」と言えば、一時的で子どものすべてを否定することにはつながりませんが、「おまえは怠け者だ」と言ってしまうと永続的に自分はダメな子どもだと考えるようになってしまいます。


まずは、自分自身に対して「永続的な」「全面的な」「自分のすべて」への非難をしていないかをチェックしてみることです。

やってしまう前に防止するのは、最初はなかなか難しいものです。

自分が憂鬱になったり、怒りや悲しい感じになったりしているのに気づいたら、その前に何を考えていたかを思い出してみましょう。

どんな文章を自分に使っていたでしょうか?

「いつだってこうなんだ」「これが運命なんだ」「いつもこんな気分になるものなんだ」

「何をやってもダメなんだよ」「みんなそう思っているんだ」「ずっといいことなんか起こらないよ」

「僕は悪い子なんだ」「なまけ者だからついサボってしまうに決まっている」「だれも私なんか気にかけてくれないに決まっている」

「いまはうまくいっていても、きっと悪いことが待っているんだ」

そして、そのような思い込みに反論してみましょう。
「一時的な」「限定的な」「自分の行為」に対する問題に過ぎないんだということをです。

そんなことで、気分が変わるだろうかと疑わずに、騙されたと思ってやってみましょう。

慢性的なゆううつを引きずらないという機会を、少しずつ積み重ねていけば、これは避けようのないことだと思い込んでいたことも、実は今までの習慣に過ぎなかったんだと発見できる日も遠くないでしょう。

最後に付け加えますが、意外と見落としがちなのは、相手が自分と違う意見を主張したから、ここは訂正しておくべきだと考えて、自分の考えを認めさせようとしてしまうことです。

この結果、お互いが水掛け論になってしまって、結果的に話し合う前より落ち込んだ気分になってしまうというのもありがちなのです。

ときには、いまは議論しないで時期を待とうと考えてみる選択も考えられるのです。
これは、事態の先送りではありません。

自分がいつも嫌な気分に陥ると経験で知りながら、無意識にそのような行動を習慣的に繰り返していることもあるのです。

こんな時、表面的には「人はいつでも理解し合っているべきだ」といった理由を思い浮かべているのですが、話し合っても物別れになることを予想しているのです。

いってみれば、いつも自分へ言い聞かせている文章を、相手を巻き込んで証明してしまうことになるのです。

もちろん、ちゃんと分かっていて、自分の折れる所は折れるから相手との関係を改善しようと思っているのなら話は別ですよ。


「引用」
「つよい子を育てるこころのワクチン―メゲない、キレない、ウツにならないABC思考法」
マーティン セリグマン他 ダイヤモンド社 / 2003-09




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