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感情から逃げることの功罪

「ほとんどの人は心の痛みには耐えられないと勝手にに思い込んで、死ぬまで感情から逃げ回っています。でも、心の痛みにはもう耐えているのです。まだなのはもう乗り越えたと感じることだけです」 バーソロミュー


過食症の女性の診察でのやりとりです。
彼女はそれまで長年過食症に悩まされていましたが、それまでに試した方法はすべて意志を強く持てというものでした。

「自分に言い聞かせるんですよ。絶対食べちゃだめだって---それでも、手もとに1パイントのアイスクリームか、<オレオ>がひと箱あれば、やっぱりぜんぶ食べちゃうんです。自分でもわからなくて。食べないようにするには、どうしたらいいんでしょう?」
?????
彼女は気持ちが落ち着かなくなると、反射的にものを食べていた。食べることが苦痛をうまくかわすための手段となっていたのだ。もちろん、本人にもよくわかっているように、食べ物でつらい気持ちをごまかしても、それでは不幸のタネをべつの不幸のタネと交換しただけの話だった。
?????
「それでは、食べたいという強い衝動を感じたら、その時どんな気持ちになっているのか、よく注意してもらいたいのです。食べたくなったまさにその瞬間にね。そして、そのままその感情に付き合ってください。心の中に湧き起こってくるがままにまかせて。ただ常に意識はしたままで。でも、何もしてはいけません」

 彼女は気が重くなったようだった。「でも、そこで食べなきゃいけないと思っちゃうんです。その時湧き上がってくる感情がいやでたまらなくて」

「そのとおり。だから、時にはそこから逃げて、食べずにはいられないこともあるかもしれません。でも、自分の気持ちととことん付き合えるようになると、それをコントロールできるようになるんです。ただ今という瞬間にいて、スピードを落としてみるだけでね。悲しさとか、孤独感とか、自己嫌悪だとか、そういう感情に付き合ってみてください。それをじっくり味わってほしいんです。つらくてたまらなくなっても、何も手を打ってはいけません。感情が湧き上がるままにまかせてください。その瞬間に流れる感情を十二分に感じつくしたら、いやな感情はだんだん潮のように引いていくはずです。ものを食べて逃げなければ、心騒ぐ感情が湧き起こってきた時にそれに付き合うすべを身につければ、もうそんな感情は恐れるに足りなくなるし、何もしなくても、じきに消え去ってしまいますよ」
?????
「うまくいきました?」と私はきいた。
「百パーセントってわけじゃありませんけど、たいていの場合は効きますね」彼女はそう言ってにやりとした。「それに、何といってもこれが肝心なんですけど、もう前ほど食べたいという衝動にとりつかれなくなったみたいなんです」



わたしたちは、つらい感情に正面から向き合うことを恐れて逃げようとします。

なにかと用事を見つけて忙しく動き回ることで、感情と向き合う時間を作らないようにしてしまうのです。

それには忙しい日常は格好の隠れ蓑になっているのです。

時には日常の雑事を離れて、何も考えずに感情が起こるのに任せたくなる衝動もあるでしょう。

しかし実際には、「そんな時間はとても持てない、そんなことをしていては目の前のやるべきことが何もはかどらなくなってしまうんだから」といういいわけで何かの作業に入り込んでしまいます。

    パソコン操作    TV見過ぎ

残っている作業を始めるか、テレビをつけてその中に入り込むか、家事を済ませるか、インターネットにはまり込むか、そんな何かの行動に入り込むのです。

忙しさの感覚は、1つはわたしたちが現代の社会に引っ張り込まれてしまうことから来ています。

社会のテンポは、絶えずそれに合わせていないと取り残されてしまうと脅してきます。

まわりの人もみんな忙しく動き回っています。

それのリズムに同期をとらずにはいられなくなるのです。

それはいつしか、社会的な常識であり、それに反することは社会から取り残されたり、排斥される恐怖をもたらすようになります。

また、あなたの側でも、先程の感情と向き合うことから逃げていたいという無意識の働きから、常に何かの代償行為を探し求めているのです。

    ためいき1

しかし、感情を抑え込んでいるかぎり、その感情が完結して消えてしまうことにはつながりません。

日頃からそんな感情などなかったかのように扱っていると、それは徐々に蓄積されていつか外に出る機会を求めるようになります。

理性的な時間のみを過ごし、思考によって処理できることが全てであると思い込んでいると、処理されないままの感情は、言葉では説明できない何らかのシグナルを送ってきますが、それは思考で扱えないものなので無視されてしまうのです。

感情の爆発は一瞬で終わりますが、それに関連した感情の方はなかなか完結しません。

その感情に身をまかせて、意識してそれを充分味わった上で自分自身の活動の一部として認めないと処理できないので、時間がかかってしまうのです。

このような処理されなかった感情は、時としてもともとそれが起こるような状況とは異なっていても、一気に情動的な反応を引き起こす場合があります。

ダニエル・ゴールマンは、この誤動作ともいえる反応についてこのように述べています。

「大脳辺縁系の扁桃核は連想による比較方法をとる。現在の状況の主な要素が1つでも過去のものと似ていれば、’ぴったりあう’と見なされる。この回路がいいかげんなのはそのためだ。しっかり確認を取る前に行動に出てしまうのである。扁桃核はやっきになって私たちに命令する。大昔に刷り込まれた方法で現在の出来事に反応せよ、と。何となく似ているだけなのだが、扁桃核の警報ベルが鳴るくらいには似通った過去の出来事を持ち出して、その時身につけた思考や、感情や、反応を使って対処せよと命じるのである。」



社会のペースが速くなればなるほど、私たちは思考に頼った理性による時間を過ごすことばかりになり、感情を処理する時間がどんどん軽視され続けることになるのです。

「感情の相手をしている暇はないよ、具体的な対処方法をこうじる以外に何が必要なの?」
と考えてしまうことは、すでに現代社会のテンポに呑み込まれてしまっているので、感情に目を向けることなど必要ないと思ってしまうのです。

しかし、感情が押さえ込めている間はいいですが、抑制が効かなくなってしまうと、突然今まで経験したことのないような衝動や説明できない不快感を押さえられなくなってしまうのです。

それは、イライラや衝動的な行動をもたらします。

あるいは、心身両面への反応となって、呼吸や心臓や内臓への不具合を引き起こします。

また、摂食障害や嗜癖や依存症につながる行動を引き起こします。

社会のリズムに合わせきって、理性時間のみで処理を続けていることには限界があります。

ワーカホリックは、無駄な時間を持つことに罪悪感を持ち、何もしないでいると不安になってしまいます。

    電話集中で混乱

あるいはその不安から逃れるために、何かを紛らわせるものを持ち続ける必要があるのです。

しかしそのような時間とのつきあい方をいったん切り替えて、感情に向き合う時間を設けることは、「過労死」などという言葉が作り出されるほどの無理な生活を作り出さないためにも必要です。

思考によって目の前のことをいくら解決しても、それだけでは改善されない自己との向き合いが必要であるということを認識する必要があるのです。

参考文献
タイムシフティング―無限の時間を創り出す
著者: ステファン レクトシャッフェン 日本放送出版協会 / 1997-05




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