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地獄でアメン

今日の文章は、書こうかどうか迷ったのですが、気になる文章なので残しておこうと思い書くことにしました。

他の方の文章の引用が中心で、いつも書いているような文章にはならないと思います。

しかも、引用する文章は決して読みやすいものではなく、一二度読んでも、文章の意味自体を理解しにくいかも知れません。

その文章は、保坂和志さんの作品の「小実昌さんのこと」という文章からの引用です。
小実昌さんというのは、ご存じの方も多いと思いますが、作家の田中小実昌さんのことです。

小実昌さんが亡くなった後、保坂さんが小実昌さんの思い出を綴っている文章ですが、保坂さんによればこれは小説であると言うことです。

それから引用するのは、保坂さんの文章の中の、小実昌さんの作品の引用部分になります。
ややこしいので、小実昌さんの文章だけ引用して、保坂さんの文章は私の説明として書いていきます。

この文章は小実昌さんが、キリスト教の牧師だったお父さんの影響でキリスト教徒となるのですが、お父さんの信仰は「かなり特殊な」ものだったようで、そのキリスト教の信仰についてかかれた、「地獄でアメン」という文章からのものです。

 受(三)五 受けにおいて、はじめて救いの根本義にふれる。救いは、救われる願いに発する信仰を本意とせぬ。たとえ救うものが摂取するという信仰型でもおなじことである。この摂取信仰型では内的に信受という言葉を使っている。
受では信仰の「信」を許さぬのである。なぜなら中(ちゅう)する事実によって営まれる宗教では、信ずることによっておこる(もの)は、なにもないからである。もしここに絶対他力があるとすれば、そこには念仏はおろか信さえもいらぬはずである。このことは事実受けにおいて明らかになる重要点である。
 この重要点に気づけば、宗教とは神が神することで、人間が願望満足のために迫ったり、信受しようとするものではないことを、だいいちに知らされるのである。
 受けの救いは、神の中(ちゅう)、すなわち神の行するところに摂取され、ひとつ動きにあずかることで、人間の救い願望の成功所ではない。ましてや(神と人間との)相関性ではないから、こちらの信と先方の救い願望とが合致することでもない。
 受けの救は空(くう)せられつつゆく救いで、そこには神が神する事実にあれば、人が仏となることを前提としたものではない。たとえ自らを否定し高次の恵みに救われると仮定しても、そこはそのまま人にかえって、神と関係せぬのである。(以下略)


※ここまでは、お父さんの文章かと思われ、このあと小実昌さんの文章が続きます。

 中(ちゅう)と空(くう)のルビをふった。カッコのなかのことも、ぼくが書き添えた。中(ちゅう)となにか。なにかではなく、父の言い方によれば、中は中する事実だろう。中なんて言葉は聖書のなかにはあるまい。でも、中とは、神が神すること、イエスがイエスであること、イエスの十字架がつらぬきとおすこと、といったところか。
 父は事実ということを、よく言った。宗教はなによりも事実だ、とくりかえした。もちろん理性判断ではない。理性判断的なドグマ、教義みたいなことからキリスト教をきりはなしたとして、久布白直勝牧師はカントをほめている。
 世間の考えでは、宗教ぐらい事実から遠いものはないだろうに、父には、これこそが事実だったらしい。
 受けの救は空(くう)せられつつゆく救いで、の空も説明できないが、イエスを受けて救われても、ああ救われたと意識や自覚、ましてや心境にならないで、そこが空になり、空せられていくということだろうか。空なんてことも聖書にはあるまいが、空も中も、父はイエスにおそわったのだろう。



保坂さんの説明によれば、「受(三)五」というのは、整理番号のようなもので、お父さんが教会のパンフレットとして作成したもののからの引用だということです。

キリスト教というのは接点は多いのですが、どこかよその国の教えのような感じが消えないのですが、おそらくそれも教義にとらわれてしまうからかも知れません。

だからといって仏教なら親しみがあるかというと、その人の書き方次第で教義が目にはいってしまって、なにか違和感を感じたりするのです。

やはり言葉というものは、その人の思いを全て伝えるわけにはいかない限界があります。

まず言葉を使う人が、自分の思いの一部分だけを言葉に置き換え、それを受け取る側もその人の言葉のとらえ方から自分の思いに結びつけます。
両方で、ディスカウントとしてしまうわけで、伝わるものは、共通の了解らしきものだけになってしまいます。

閻魔大王顔


さて、この小実昌さんの文章ですが、まず引っかかってしまうのは、受、信、中、空とか神が神するとかいった言い回しでしょう。

単なる私の解釈で、間違っているかも知れませんが、このように読んでみました。

「受」:受け入れること、自己を明け渡すこと。

「信」:信じることですが、どこか教義に従うという表面的な意味合いでいっているのでは。

「中する、神する」:わたしたちがあずかり知らないところで、物事の起こっていく現れ。キリスト教の場合で言えば、神の意志による行い。

「空」:自分の側の願望や救われたという感覚もなくなり、また神が何かをしてくれたという関係もなくなることか。

保坂さんも書かれているのですが、
「これについて、ぼくがとやかくつけ加えるよりも、一読してわからなかったら、二度でも三度でも読んで下さい。」

ということで、何か感じられた方は、読み直してみて下さい。


「生きる歓び」 保坂 和志 新潮社 / 2003-08



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