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牛をさばく料理人

あなたが「行為者」でないとき、ものごとはただ起こります。

この点をもう一度考えてみましょう。

あなたは普段から、自分がやろうと考えたことに取り組み、あなたが思ったとおりにものごとを成し遂げたと考えます。

しかし、よく考えれば、あなたが意識して行っていることなど、ほんのわずかな一部分に過ぎないことに気づくでしょう。

私が今この文章を書いているときも、おおざっぱに書く内容を思い浮かべたあとは、ごく自然に文章が書き上がっていきます。

途中の一文字一文字をどのように書いたかなど、いちいち意識しているわけではありません。

また書き上がった文章を読み返すとき、自分が予測したものと、出来上がった文章は別物と言ってもいいくらい、予想とは違ったものであることもしばしばです。

あなたにも自分が書いた文章を、時間をおいて読み直してみれば、本当に自分が書いたのだろうかと思うことがないでしょうか。

あなたは、新しいことに取り組むときには特に、意識してそれを行おうとします。
その時あなたは、そのことをすべて自分が行為者としておこなっている考えるのです。

しかし、たとえばあなたがそれと同じことを、昨日もやっていたなら、あなたはもう分かっているので意識しません。
あなたは、あたかも自動的にそれが起こるように、それをやり遂げます。

これらに、違いはあるのでしょうか。

違いがあるとすれば、あなたが未経験なことを失敗しないようにやろう、そう考える自意識があるかどうかだけです。

それ以外には、実際に起きていくものごとに違いなど無いのです。

書く1


あなたが自分が行為者だ、誰かが行為者だ、という考えを持たずに行動するとき、あなたは自然に起こるに任せてものごとを成し遂げます。

そのときあなたは結果を恐れません。

また誰がそれをやったかを考えて、あなたに対する賞賛を求めたり、誰かを賞賛しなければならないと考えたりしません。

あるいは自分への優越感や、やりとげた人への嫉妬や羨望を感じることもありません。

失敗に終わっても、誰の責任かを考えて、不要な自責の念を抱いたり、他人への非難を考えなくてもいいのです。

これらのことが起こらないとき、あなたはどれだけ束縛されずに、自由や安心を感じるでしょう。

急いで出勤


誰が「行為者」であるかを考えない、これは奇妙な考えに聞こえるでしょうか。

しかし、じつは普段から、あなたも何も考えずに行為していることの方が多いのです。

そして、思い出したように、私がやり遂げたとか、誰がやったことだ、という意味づけを行うのです。

その意味づけが、あなたに批判や不満や嫉妬を生み出すのです。

あなたが、自分が「行為者」であることを手放すとき、あなたは自由と平安を取り戻すのです。

傲慢さを無くして謙虚になることは、単なる道徳ではありません。

想像してみて下さい、あなたが成し遂げたという傲慢さを手放したとき、どれだけ軽やかに平和を感じられることか。

では最後に、自分が「行為者」ではなく、牛をさばく料理人の話(荘子)をご覧下さい。

牛を切る料理人の話

さて、今度は牛をさばく料理人の話だ。 料理人
王の料理人が牛を裂いておった。
ついっと腕が伸びると肩が切り落とされ、足を踏ん張って膝を切り取り、
まるで風に乗って動くように
刃物がすっすっと動いて、牛はバラバラになる。
そのリズムといいタイミングといい、
まるで古代のダンスを舞っているかのようだ。
「見事な腕前だ」
と、王さまは叫んだ。
「まったくお前の包丁さばきは完璧だよ」

「包丁さばきですと?」
と、料理人は言いながら、牛を裂く包丁を横に置いて、

「私が致していることはタオに従うことでして、
包丁さばきがうまいとかいう問題ではありません。
始め、私が牛をさばき始めたときには、
目の前に牛全体がひとつのかたまりになって見えたものです。
三年の修練を経ると、もはやひとつのかたまりには見えなくて
部分部分が見分けられたのです。
そしていまや私は、その部分部分も見ないのです。

私の目や頭がいちいち見分けるのではなくて、 ウシ2
私の体全体が牛を理解しております。
私の内にある魂が自由に動きまして、
その直感に従って包丁を入れるのです。
牛の持っているごく自然の道を通りましてな、
隠れた場所を見つけた包丁がその隙間に従って動いてゆくのです。
ですから、間接を無理に切ることはありませんし、
骨をぶち切ることも致しません。

本当の良い料理人は一年中一本の包丁で足ります。
それで一切を切ります。
下手な料理人はまず、ひと月に一本は新しい包丁を使いますでしょう。
なぜなら彼はぶった切るからです。
私はこの同じ包丁を十九年も使っておりますよ。
すでに千頭もの牛を切り分けたでしょうな。
それでいて、刃の先はまるでいま研いだかのように鋭く光っております。

牛の関節には必ず隙間がありまして、また、
胸の骨にも背の骨にも、薄い所に必ず隙間はございます。
その隙間を見つけることが必要なのでして、そこに包丁が入れば
まるでそよ風がそよぐようにすっすっと刃が入ってまいります。
ですから、ごらんのように十九年も切っておりますが、
この包丁は、いま研いだかのようです。

もちろん、難しく組み合わさった関節もございます。
そんなときには、私はゆっくりと刃先を動かし、また、
後ろに下がって、よく見直すこともございます。
それからさっと刃を入れますと、まるで土くれのようにぽろっと
その部分が地面に落ちるのでございます。

あとはもう、静かに立って包丁を拭き、そして、しまうのでございます」

王様は言った。
「まさにこれだ。この料理人は、
人の生き方の大切なコツを教えてくれたぞ!」

牛を切る料理人の話(養生主篇)
荘子 ヒア・ナウ 加島祥造 PARCO出版



私が致していることはタオに従うことでして、包丁さばきがうまいとかいう問題ではありません。



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