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シャーロットのおくりもの(Charlotte's Web)~私の網の目はどんな具合?

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シャーロットのおくりもの
有名な子供向けに書かれたお話で、映画などにもなっているので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。

最初にざっと内容を紹介します。
牧場を営むエラブル家に11匹の子ブタが生まれます。しかしそのうちの1匹は小さくて、これは育ちそうにないな、ということで処分する事になります。
ところが、娘のファーンは自分が面倒見ると宣言し、その子ブタを引き取るとウィルバーと名付け、哺乳瓶でミルクを与えて育て始めます。やがて、ウィルバーは自分で食事をできるようになり、向かいのザッカーマン農場に預けられることになります。そこでは、他の個性豊かな動物たち(羊やガチョウの親子やちょっと性悪なネズミのテンプルトンなど)と一緒に暮らすことになります。しかし生まれた時の危機は免れたウィルバーでしたが、“春に生まれた子ブタは、冬を越せない。なぜならクリスマスのハムになるから”という話を聞いてしまいます。怯えるウィルバーに対し、賢くて心優しいクモのシャーロットが“必ずあなたを守ってあげる”と約束するのでした。

表紙の絵を見た方は、最初シャーロットってこの女の子かと思われたでしょうが、この子は先ほど出てきた娘のファーンで、肝心のシャーロットとは、表紙でいうと「シ」の文字に絡めた糸でぶら下がっている「クモ」なのです。
クモながら、シャーロット.A.キャヴァティカという立派な名前を持つ、しかも知性的なクモなのです。人間など簡単に騙せると豪語する頭のいいクモなのです。
クモのシャーロットが、どうやってハムにされてしまう豚のウイルバーを救えるのだろうか?・・・その辺りはネタ明かししないで、読んでからのお楽しみということにしておきましょう。

さて、今回は本の紹介をするのが主なテーマではなく、この物語で楽しいお話の影で淡々と扱われている生命について考え方を書いてみようと思います。

たとえば、豚のウイルバーは生まれた時に間引きされようとしました。そしてもちろん家畜として飼われている動物が肉付きが良くなってきた時、どうなる運命にあるかという問題があります。このお話のウイルバーは例外的にそれを免れるようですが、ほとんどの家畜の生命は、人間の計算によって支配されてしまいます。
しかしこの話では、よくあるような人間は悪いやつだから抵抗しようとか闘おう、というような話にはなりません。運命は起こるままに受け入れることが当たり前のように描かれています。

クリスマスのベーコンにされてしまうウイルバーを救おうとしたシャーロットは、知的でいつも味方でいてくれましたが、他の家畜と比べれば短い寿命を宿命付けられています。
物語の終わり近くになると、自らの命を次の世代の子供達に委ねるために、514個の卵を産みつけた卵の袋をこしらえます。1個体としてのシャーロットに取っての、生涯最後の大仕事をやり遂げた後のシャーロットは、言葉少なになり、動くこともだんだん大変な状態になってきます。ウイルバーの品評会の大舞台の舞台裏で、ウイルバーの受賞に沸き立つ家族たちにも気づかれないままひっそりと生涯を終えます。
しかし、その後春が来て、シャーロットの2世たちが次々と生まれ始めます。その殆どは糸を吐き出し気球のようになって、自分の住処を見つけに旅立ちました。その中の3匹だけは、シャーロットの後を引き継いで家畜の納屋の隅に蜘蛛の巣を貼り、今度は私たちがウイルバーの友だちになるといいます。

家畜たちはみんな定めに従ってそれを受け入れ、自分だけが特別に生き延びようとは思わず、脈々とつながっていく次世代に、自らの命を受け渡します。
ガチョウは8個の卵を温めて、7匹の雛を孵します。春になり、「今日はカエルの声が聞こえたよ」と羊のおばさん、池の方から何百匹の小さなカエルが声を張り上げるのが聞こえます。ほとんど毎日のように、羊のへやには新しい赤ちゃんが誕生しました。

そして終わり近くでのウイルバーとシャーロットの会話にこんなのがあります。

「どうして、ぼくのためにいろいろしてくれたの?ぼくにそんな価値ないのに。きみには、なにもしてあげてないのに」
「あなたは、いいお友だちだったわ。それだけで、すばらしいことじゃないの。あなたがすきだから、わたしは網に文字を書いたのよ。生きるって、どういうことだと思う?生まれてきて、少しばかり生きて、死んでいくんでしょう。クモの一生なんて、わなをしかけたり、羽虫を食べたりの、さんざんなものなの。あなたをたすければ自分の一生が、ちょっとはましなものになると思ったのかもしれないわ。そんなことがあったって、いいでしょ」シャーロットがこたえました。



一つの個体が自分であり、自分の命だとこだわる限り、自分の短い生涯への虚しさは消えません。一個人の自分をどんどん巨大な自我にふくらませる限り、ますます苦しさは増すばかりです。
家畜の納屋で暮らす動物たちのように、運命を受け入れ、僅かな期間の関わりであっても、それを、「それだけで、すばらしいことじゃないの(That in itself is a tremendous thing)」と思って最高に輝かせる時、人間の頭で創りだした良き人生ではなく、本当の満足のある生を生きられるのではないかという気がします。

すべてのものが一つの生命であるが如く生き、そして各々が自分だと思っているものは、その一つの生命からの現われの一つに過ぎない、あるいは、演じてみたくなった役を楽しんでいるにすぎないと思えたら。

さて、この後の話は、すこしシャーロットとは離れることになりますが、この続きで書き足したいと思ったことです。

「シャーロットのおくりもの」という邦題は、英語ではです。
Webとはクモの巣という意味もあれば、網という意味もあります。今みなさんがお世話になっているwwwとはworld wide webの略で、世界中に張り巡らされた網の目と言った意味です。

シャーロットではクモの巣の意味でしたが、ここからは網についての話です。

網の目といえば、老子の有名な一節があります。
「天網恢々疏にして失せず(てんもうかいかいそにしてしっせず)」
天の網の目は粗いように見えても、その法則を、何者に対しても例外なくゆきわたらせている、という意味です。

ここで、なぜ網の目は細かくはなく、あらいと言っているのでしょう。
どこかに回答があるわけではないのですが、私はそのあらさに意味があると思いました。

小魚を採るには、網の目はある程度細かくないと、隙間から逃げられてしまいます。
しかし、細かいぶん、すぐにゴミまで引っ掛けてしまうので、すぐにゴミを取り除いてから使わないとならなくなります。

逆に粗い網の目であれば、雑魚は捕まえませんが、余計なものは素通しで引っ掛けたりせずに水を通すことが出来ます。ここぞという獲物の時にだけ捕獲する道具に変わるのです。

現代の私たちは、非常に細かな網を操ろうとしているように思えます。
なにものも捕まえられるものは、全て捉えてやろうと言わんばかりです。
せっかく手に入りかけているのに、隙間から逃すなどもっての外だと。

本当は必要のないものまで、獲得できるものならなんでも掴んでおこうと思っていると、網の目はすぐに目詰まりを起こし、機能不全に陥ります。

ちょうどセンサー機能が鋭敏に過ぎると、すぐにアラーム状態になって、かえって支障をきたしてしまうようなものです。ちょうどいい塩梅に、鋭さをばかにしてやる必要があるのです。

網の目も粗めにしておけば、余計なものは素通りしてくれます。やって来るものはすべて歓迎し、結果的に網の目から抜けていくものは、自由に去らせてやることです。

そんな一瞬の出会でも、自分のものにしてしまわなくても、すれ違い自体に意味があるのです。それを捉えようと思う余裕があればそうなります。

目詰まりも起こしません。ゆったりと通り過ぎる出来事を、眺める余裕が生まれます。
たえず、「あれを逃すな!それを逃すな!」と思って神経をすり減らす必要もなくなります。

そもそも自分に本当には必要のないものなど、なぜ捕まえる必要があるでしょう。
他の必要な人にまわしてあげましょう。

さて、いまのあなたの網の目はどんな具合でしょう?
細かすぎませんか?すぐに目詰まりを起こしていませんか?
流れをせき止めていませんか?
ゴミが引っかかるたびに、それに気を取られたり執着していませんか?

すんなりと逃してあげたらどんなに気持ちが良いでしょうか?
もっとゆったりと生きられるように、目の大きさを調整してみましょう。

あなたにとって、ちょうどいい大きさの網の目とは、どのくらいがいいのでしょう?


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