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月そのものを見よう!(新「水たまらねば月も宿らず」 メルマガ27)


月そのものを見よう!

「朝顔に つるべ取られて もらい水」  千代女

井戸

ご存じの方も多いこの句を詠んだ千代女(ちよじょ)のこんな逸話があります。

ある夜に、千代女は井戸から汲んだ水を桶に入れて運んでいました。
桶の中を見ると、きれいに月が水面に映っています。

しかし、当然少しでも動くと、水面が揺れて見事な月のかたちは崩れてしまいます。

私の心の乱れが、月を崩してしまうのだろうか。ありのままに、崩れないように映せる鏡に私はなれないのだろうか。

そんなとき、虫が飛んできて桶の水に飛び込んでしまいます。
月は崩れます。

風が吹いてきて水面が揺れます。
月は崩れます。

再び思い直して、桶を運びはじめようとしたとき、桶の底が抜けて水はすっかり流れてしまいました。

もはや月も消えてしまいました。
せっかく運んだ水もすべて流れてなくなってしまいました。

千代女はここで悟り、大笑いします。

桶の月は消えてなくなった。
水もなくなり桶は空っぽ。

しかし、私の心配などと関係なく、月は空を見上げれば存在したのだ。

水面の月にとらわれて、私の心のせいで月が左右されるなど馬鹿なことを考えたものだ。
水を溜めなければ、そもそも月も映らなかったというのに。

「とにかくにたくみし桶の底ぬけて 水たまらねば 月もやどらず」

月


☆~⌒☆

私たちが、ふだんからよく陥っている悩みというのもこのようなものです。

◆月の姿かたちを崩さないようにしたい。

私の心が乱れるから、月もきれいなままでいてくれない。
いや写真に撮っておけば、ずっと私のものになるじゃないか。

※その時追っかけているのは、水に映った月なんですけど。

◆せっかく運んだ水が、全部流れてしまった!

なんて世の中は意地悪なんだろう。
もっとしっかりした桶を作ろう。
いや、桶のたがを点検しなかったのがいけなかったのだ。

※どのように準備しても、起きるときには起きるのです。

☆~⌒☆

水面に映る月をうっとり見つめたところまではよかったのです。

しかし、この月を「私」のものにしたいと執着心を持ちはじめる。

その時点で、月は空の上にあることを忘れてしまいます。
「私の月」は、この目の前の水に映る月なんだと。

いつまでも変わらないものなど何もない。
そうわかっていながら、このまま「私の月」を保存しておきたいと思い出すとき、私の悩みが始まります。

せっかくここまで水を運んだのに。
桶さえ壊れなければ、今は水を家の中に運べていたのに。

なぜ、私に意地悪するんだと思えば、世界は私に敵対するものに見えてきます。

しかし、どのように注意深くしていようと、底が抜けることもあるでしょう。
そして、そこで起きたことは、水にとっては自然に重力に従って地面に流れ落ちただけです。

「私」がどのように解釈しようと、起こるべきことが起きただけ。
なんで、世界を恨む必要があるのでしょう。

すべては「私」がからんでいるから、起きてきた迷いごとにすぎません。

月は、私が生まれる前も、いなくなった後も、空の上に存在し続けます。
水は高いところから低いところへ流れます。
水面は「私の心」にかかわらず揺れるときには揺れ、波を立てるのです。

「私」の望みと違うことが起きて、「私」のこころがざわついただけなのです。

今悩んでいることはなんでしょう?
それは、どんなふうに自然をねじ曲げているのでしょう?

☆~⌒☆

こころが、ざわつきだすと、月そのものを見ることを忘れてしまいます。

水に映った月こそが真実だと信じ込んでしまうから、それが壊れることを恐れるのですが、その時点で対象とするもの、守るべきだと信じたものが間違っているのです。

このような失敗を避けるためには、本来の月はどこにあるのかを、思い出さなくてはなりません。

月は空にありますが、自分にとっての真実は、自分の中を捜さなくてはなりません。

だまされてしまうのが、心にあるのなら、その心の奥に隠れている真実を探さなくてはなりません。

心が説明したがることは、自分の今までの経験から正しいと訴えることを前提にしています。

その前提が、今までうまく働くことが多かったほど、それがひとつの前提に過ぎないことを認めたくなくなるのです。

情報が手に入りやすくなった現代では、自分自身の経験のかわりに、たとえばネットで検索した知識を信じて、自分で経験したことのように前提にして行動したくなります。

答えがたやすく手に入るようになると、自分で考えること、つまり月そのものを見ることをしなくなってしまいます。

さらには、なんでも答えが手に入るとは限らないのですが、そのような当たり前のことも忘れて、あたかも、探しさえすればその場で答えは手に入るはず、答えが見つからないのは探し方が悪いだけと思ってしまいます。

その結果、自分自身に問いかけること、月そのものを見ることをしなくなるのです。

月そのものは、自分の心が説明したがることの中には、含まれていないかもしれません。
自分を守るために、発達させてきた心の思考そのものに潜む、落とし穴に気づかなくなるのです。

思考は本来役に立つことも多いし、間違ったことではありませんが、何でもそこで答えを見つけようとするのは、無理な場合もあるのです。



人が他人にだまされるのは、直接他人にだまされるわけではありません。

他人の言葉と、自分が信じ込むことの間には、自分自身の心の説明が介在しているはずです。

そこでは、これを信じたいから、これは正しいことのはずだと信じたがる、心の働きの落とし穴が存在しているのです。

この中間に入った自分の心に、それを信じてしまいたい自分を含んでいるからこそ、相手の言葉も信じてしまうわけです。

言い換えれば、自分の中にもだまされたい自分が存在しているわけです。

それは、今回のたとえで言えば、月そのものを見るのではなく、水面に移った月の方こそが本物だと信じたがることかもしれません。

こんなにきれいに見えるのだから、こちらを月だと思って何が悪い?というわけです。

心の説明にだまされないためには、即座に思考に基づいて行動しないで、その考えていたことを、いったん止めて、そこで心のおくから訴えてくる、言葉にならないかもしれない感性に耳を傾けてみることです。

ぼんやりした、何か違う気がするという訴え、
前にもこんなことがあって、しかも失敗したような気がすると告げている声に耳を傾けましょう。

「水に映ったつきだけど、本物ではないけれど、でもきれいだね」と思うところまでに留めておきましょう。

あくまでも、今ここの素敵な体験であって、いつまでもは続かないのです。

そのまま維持したいと思い出さないことです。

それが出来ないなら、必要ならば、じぶんで桶の底を抜いてしまいましょう。

そうすれば、自分も他人もあなたをだますことは出来なくなります。

心がざわつくことも、あきらめられるようになります。

にせもので悲しい思いをしなくても、済むようになるのです。

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