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『ロバの話』~新しい解釈

ロバk2026921280


以前「ロバの話」を紹介しました。
読まれた方も、始めての方も、まずはどのようなものか、先入観なしで一度ご覧になってみてください。

☆~⌒☆

古代中国のあるところで、村人達が役人から皇帝のための寺院を建てるように命令を受けました。
役人は、もし指定の期日までに寺院が完成すれば、村人達に多くの報酬を支払うことを約束しました。

寺院を建てる場所に選ばれたところには井戸があったので、村人達は寺院を建て始める前に井戸を埋めなくてはなりませんでした。村人達はロバに土や泥を運ばせました。

ある日、事故が起こりました。ロバが井戸に近づき過ぎて足を滑らせ、井戸に落ちてしまったのです。

村人達はロバを引っ張り上げようとしましたが、うまくいきませんでした。

何度も試みた後、村人達はロバを助けるために時間を取りすぎていることに気づきました。

寺院完成の期日を考え、村人達はロバを犠牲にすることに決めました。

村人達はロバを生き埋めにするしか方法はないと思い、井戸に土や泥を入れはじめました。

ロバは村人達が何をしようとしているかに気づき、悲しげに鳴き始めました。

村人達はロバの悲痛な鳴き声を聞きながらもそれを無視しました。

ロバは彼らの得る報酬に比べるとそれほど価値がなかったので、土を入れ続けたのです。

しばらくすると、ロバの悲しげな鳴き声がやみました。

村人達は何が起こったのか、ロバはもう死んでしまったのか、それともただ単にあきらめたのか、一体どうしたのかと不思議に思いました。

気になって井戸を覗いてみると、驚いた光景を目にしました。

ロバは元気に生きています。

土や泥が降りかかってくると、ロバは体を揺すって振り払い、足元で土が固くなるまで踏みつけるのです。

踏みつけることによりしっかりした足場ができ、ロバは少しずつ上に上がってくるのです。

ついには、ロバは井戸のなかから飛び出るのに十分な高さまであがってきました。

ロバは力強いひと蹴りで井戸から飛び出しました。

村人達は驚きのまなざしでロバが頭を高く上げて走り去るのを見ました。

タオの生き方 ロバ  デリック・リン
http://www.taoism.net/japanese/

☆~⌒☆


このお話を、書いた方の意図した(?)通りに解釈するなら、人間の身勝手な都合で犠牲になりそうになったロバが、なんとか危機を乗り越えて窮地を脱したという話になります。

そう思わせる伏線は、以下の部分にあるのでしょう。

----------------
村人達はロバを生き埋めにするしか方法はないと思い、井戸に土や泥を入れはじめました。

ロバは村人達が何をしようとしているかに気づき、悲しげに鳴き始めました。

村人達はロバの悲痛な鳴き声を聞きながらもそれを無視しました。
----------------

しかしこの解釈は、ロバを犠牲にしようとした身勝手な人間のエゴと罪悪感という視点から見た場合のはなしです。

見殺しにしようとした自分たちの罪悪感は、幸いにも偶然に救われました。

そして、勇敢にも生き延びてくれたロバへの感謝と、謝罪と、諦めなければ助かる可能性があるという教訓の話と受け取ることも出来ます。


しかし今回は、このような人間の視点を切り捨てて、ロバの視点から考えてみようと思います。


さてロバ君は、井戸の底に真っ逆さまに落ちてしまった時に恐怖を感じました。
しかし、それは一瞬の出来事でした。

世界は真っ暗になってしまい、人間の声は遠くから聞こえるようになってしまいました。

もと居たところは、どうやら上の方に見える明かりの方向にあるようです。

そこまで考える(?)と、ロバ君はもうさしあたってできることはないので、じっとしていることにしました。

いつまでも泣きわめいても、おなかがすくだけですから。

すると、何かが落ちてきます。

土や泥が降ってくるのです。

もちろんロバ君は、本能的にそれを振り払います。
動きやすいように、泥を踏み固めて居心地よくしました。

何が起きているのかわかりませんが、それしかできることはありません。

しかしそうしているうちに、なぜか上の方の遠くに見えた明かりが、近づいてくるようにも思えます。

ロバ君にとっては、それがいいことなのか悪いことなのか、解りようもありませんでしたが、明かりが近づくのは元の場所に帰れそうなのかなと思うだけでした。

心なしか、人間の声も近くなってくるような気がします。

とうとう外の景色が目に入りました。

ロバ君は、元の場所に戻ったぞ、これで動き回れると喜んで、井戸の縁を飛び越えて外にかけだしていきました。


ロバにとっては、別に特別なことは起こりませんでした。
ただ、しばらく暗いところにいる時間があっただけです。

もちろん、人間たちが何をしようとしたのかなど、知るよしもありません。

ところが人間の視点をプラスするとこのように変わってしまいます。

-----------

窮地に陥ったと考え、恐怖を感じながらもがいていたら、
土を踏み固めれば、自分は助かるかもしれないと言う発見。

自分を見捨てた人間への恨みを感じながら、
でも自分は負けないと奮い立つ。

しかし人間どもが土を投げ込むのをやめてしまったらどうなるのだろうと不安になり、

ようやく助かったと思った時、

どうだ憎い人間どもめ、もうお前たちの言いなりにはならない。
自由な世界に飛び出すのだ。

とか、なんとかかんとか。

-----------

事態を予測できる能力を身につけた人間は、それとともに起きていることへの様々な解釈をすることも覚えました。

そして、その半分は、自分を助けるどころか不安に陥らせるものです。

またその過程で、他人を憎むという思考を生み出します。

また、他人がどう考えるかが自分の将来を左右するという思考が生まれます。

まわりの評価に注意を払わないと、無事に生きてはいけない油断のならない世界、その中に自分は生きているのだという、その多くはありもしない確信を強めていくのです。

こうしてバラ色の世界は、どんどん不安で油断のならない世界に変わっていきました。

もう子どもの頃の無邪気さは、とりもどせない。

これが大人として生きていく定めなのかと悲観します。


はたして、そうなのでしょうか?

このように思うことも出来ます。

  あなたがどう思おうと、
世の中は今のままで完全なのだ。
世の中はそのようなものなのだ。

そして、この世の中は、
自分を活かす場としては申し分のないところだ。

【引用】『今日が楽しくなる魔法の言葉』 
アーニー・J・ゼリンスキー


『世の中はそのようなものなのだ。』

無理に逆らわないことです。

起きてくることに、いちいち嘆きの思考を加えないなら、
それはただ起きていくのです。

ロバ君のように、ひたすら今ここにとどまって生きるなら、別に大したことは何も起きてはいないことに気がつくでしょう。


悩みながら世界を凝視していようと、
何も考えずに世界を眺めていようと、

あなたが逆らって生きるようともがいているかどうかにかかわらず、

その時その時で、あなたはふさわしいことをやっているし、やるしかないのです。

やる前の意図にかかわらず、あなたは結果に基づいて軌道修正することはできるし、
それに合わせて現実を受け入れる解釈をしていくこともできるのです。

あなたがどれだけ抵抗していきたかで、あなたを表彰してくれる誰かがいるわけではありません。

逆らわずに生きたから、あなたを罰してやると怖い顔をする人もいないのです。

どちらが正しいかではなく、バランスの問題です。

必要なら、今は逆らうのをやめようと思って、しばらくロバ君のように無抵抗に無解釈で生きていくことだって出来ます。

今が逆境の時だと喚き立てるかどうかもあなた次第です。

そして、どうすればいきいきしていられるかというバランス感覚は、思考がもたらす解釈とは別次元に備わった感性によるものなのです。

何を当てにするか、思考にとらわれ過ぎなければ、世界はどのように見えるものか、それを考えてみるのは非常に有意義です。

ちなみに、以前書いた文章はこちらです。

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